2026年10月16日(金曜日)
8時29分~8時41分
於:国会本館2階閣議室前
冒頭発言
灯油価格高騰対策
はじめに私から1点申し上げます。灯油は、冬季の暖房に用いられるなど国民生活に不可欠な燃料であり、その安定供給は重要な課題でございます。特に、冬季の寒冷地においては、まさに命に関わる問題だという認識を持っております。現在、灯油を含む石油製品は我が国全体として「日本全体として必要となる量」を確保できていますが、一部の卸売事業者などにおいて、例年の需要を大幅に上回る注文を行う動きがある中で、一部の石油元売事業者が安定的な供給を継続できるよう、取引先に対して、想定需要に沿った注文を行うよう要請するなどの動きがみられております。これらの動きについては、一部の国民の間で冬季の灯油の供給に不安が広まっているということで承知しておりまして、ただ改めて申し上げますが、決して供給不足に陥る状況にはありません。この点はまず確認しておきたいと思います。一方で、国際的な精製能力低下に伴い、原油に比べて輸入灯油の価格は高止まりしております。国内の灯油価格も、輸入価格の影響を大きく受ける可能性があることから、対策を強化することといたしました。具体的には3点申し上げますが、まず1番目ですけれども、石油元売事業者、輸入商社、卸売事業者などの皆様に対して、前年同月比で同量の販売・注文を要請いたします。それが1点目です。それから、2点目に供給の偏りや流通の目詰まりが発生する場合に石油元売事業者から直接販売を実施する「灯油直販スキーム」を新設いたします。それから、3点目ですけれども、輸入灯油が高いというお話をいたしましたが、輸入価格と国内卸価格の差額を「輸入灯油調整単価」として補助する制度を導入いたします。引き続き、灯油などの石油製品の供給に支障が生じないよう、万全を期すとともに、供給の偏りや流通の目詰まりに対しては、石油元売事業者と緊密なコミュニケーションを取り、寄せられた個別の案件、ご相談、問合せ、あるいはご要請、一件一件着実に解消し、国民の皆様の暮らしと経済活動に支障が生じないよう取り組んでまいりたいと思います。1点補足をすれば、2月28日の中東情勢の緊迫化以降、私どもが経験を積んできた、全力で取り組んできたものと基本的には同じ相手だと思っておりまして、これまでに我々がトライ・アンド・エラーで実施してきた政策がきちっと機能するだろうと理解していまして、以上申し上げたことで万全の対応を期してまいりたいと思っております。
質疑応答
IEAの石油市場レポート
Q:IEAが14日に発表したレポートで中東情勢悪化やロシアの製油所への攻撃などで石油の生産が世界的に抑制されるほか、主にディーゼル燃料に使用する軽油の供給逼迫が2027年まで続く可能性について言及しました。調達面では先ほど冒頭大臣もご発言あったように石油製品代替調達も進んでいますが、一方で石油製品や原油の価格が高止まりする中、こうした現状の我が国経済への影響に対する大臣の景気の認識とこうした状況を打開するために関係国への働きかけなどについてお考えがあればお聞かせください。
A:ご指摘のIEAの「石油市場レポート」では、2026年末にかけて製油所の処理量は回復するものの、中東情勢などの影響により失われた在庫の補充が2027年下半期までは見込めないということで、世界的な軽油市場の逼迫状態が2027年にも続くという見通しが示されたと承知しております。一方で、中東情勢悪化や原油価格の高止まりが我が国の経済に与える影響については、情勢の先行きが依然として不透明であることから、予断を持ってお答えすることは困難だと思いますが、高い緊張感を持って注視していくことは間違いがありません。こうした中で、エネルギーの安定供給確保に向けては産油国と消費国との協力が鍵になる、極めて重要だと思っておりまして、私自身、先週末に開催されましたIEF閣僚会合にリモート出席し、産油国・消費国の連携の重要性を発信したところでございます。引き続き、軽油をはじめとする石油の安定供給確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
パワーGX戦略
Q:政府は年末に向けてパワーGX戦略をまとめる予定で、8月に示したパッケージは産業部門の電化を柱に掲げています。国際的にはトルコがCOP31に向けて世界の電化率を2035年までに35%引き上げる目標を提唱していますが、電化率の向上は日本が進めるGXの方向性と整合的なものと考えているのか、政府としての評価や検討状況を教えてください。よろしくお願いします。
A:ご指摘の目標については、11月に開催されるCOP31に向けて、電化率の定義や算定方法等について、国際的に議論が進められており、まだ現時点で詳細が明らかになっておりません。このためご質問でありますが、予断を持ってその評価をすることは差し控えたいと思います。その上で申し上げれば、我が国としては、各国の事情に基づく多様な道筋の下で、世界全体の脱炭素化を進めていくという考え方が示されることが重要であると思っています。我が国について申し上げれば、パワーGXは、今般の中東情勢を受けて、「化石燃料の調達安定性の抜本向上」と「GXの加速・強化」、この「2つの強靱化」を進めて、エネルギー需給構造の強靱化に取り組んでいく方向性を取りまとめたものであります。こうした方向性の下で、電化を含めた「ものづくり現場のエネルギー需要の革新」も進めるべき取組の一つとして位置づけております。現在、具体的な施策について議論を進めており、年末までにパワーGX戦略として取りまとめていきたいと思っております。
高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定の文献調査
Q:高レベル放射性廃棄物の最終処分についてお伺いします。まず、昨日茨城県の常陸大宮市のほうで文献調査が始まりましたけれども、そちらについての受け止めと常陸大宮市の文献調査では先日茨城県の大井川知事が原発立地県が処分場を抱えることへの負担などを理由に概要調査に進む予定はないと表明されました。茨城県を含めて、これまで調査地で概要調査以降の調査を認めた知事はおりません。選定プロセスを先に進めるために、経産省としてどのように対応していく必要があるのか教えていただきたいです。また、市町村長と都道府県知事双方の意に反して先に進まないとしている現行の制度について見直しの必要があるのかどうか、この点についての見解を教えてください。
A:まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、昨日ご指摘のとおり、原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業計画等の変更認可を行い、常陸大宮市での文献調査を開始いたしました。鈴木市長をはじめ常陸大宮市の皆様に真摯に向き合っていただいたことに改めて、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。文献調査の実施にあたっては、先日面談の際に鈴木市長からご指摘をいただいた事項への対応も含めて、丁寧にコミュニケーションを取りながら進めてまいりたいと思います。また、大井川茨城県知事がご発言されたことはご指摘のとおりで、茨城県は原子力発電所が立地しているなど様々な国のエネルギー政策に既に大きく貢献し、かなり負担している、その茨城県において県内で最終処分場を受け入れるつもりはない、また、概要調査に進むことについて合意するつもりはないとの考えを表明されたことは承知しております。国としては、今後、文献調査期間を通じて丁寧に説明を尽くしてまいりたいと思っております。その上で現行のプロセスは地域の負担が重いとの意見も頂いているところであり、調査を受け入れていただく自治体の負担軽減に向けた対策について検討していくことが必要ではないかということは考えております。
灯油価格
Q:灯油価格についてお尋ねします。北海道内で灯油価格が高騰しています。国際市場価格の値上がりと供給の目詰まりの2つの要因があると見られていますが、全国平均に比べて10円以上高い水準について大臣はこの価格の水準が適切だと考えるのか、それとも高いと考えるのか、お考えをお願いします。
A:灯油は、冬季の暖房に用いられるなど、国民生活に不可欠な燃料であり、加えて特に冬季の寒冷地においては、まさに命に関わるものだという認識であることは先ほど申し上げたとおりであります。加えて北海道は、他の都府県と比較して灯油の小売価格が高く、上昇傾向にあることも承知しております。ただ、ここでもう一度確認をしておきたいのは、冒頭申し上げたとおり、灯油を含む石油製品は「日本全体として必要となる量」を確保できており、しかも今後とも確保できる見通しでありますので、供給不足に本来陥る状況にはないということだと思います。しかしながら、これも繰り返しになりますが、一部の国民の間で特に北海道民の皆様の間でも冬季の灯油の供給に不安が広がっていることを踏まえ、先ほど申し上げた対策の強化をいたします。念のため繰り返しますが、石油元売事業者、輸入商社、卸売事業者などの皆様に対して、前年同月比で同量の販売・注文を要請する。それから、2点目が供給の偏りや流通の目詰まりが発生する場合に石油元売事業者から直接販売を実施する「灯油直販スキーム」を新設する。また、輸入灯油の価格が高いということで、国内卸売価格との差額、これを「輸入灯油調整単価」として補助する制度を導入いたします。引き続き、灯油などの石油製品の供給に支障が生じないよう、万全を期すとともに、ご指摘の北海道生活協同組合連合会の件も含め、供給の偏りや流通の目詰まりに対しては、石油元売事業者と緊密なコミュニケーションを取り、寄せられた個別の案件を、一件一件着実に解消していきたいと思います。特に価格についてご指摘がありましたが、直販スキームなども含めてしっかり玉が出てくるということが周知され皆様の理解を得られれば、もちろんいろいろな事情で北海道の灯油価格が他の都府県より高いということは起こり得るのですけれども、徐々に落ち着いていくことを期待しているということは申し上げておきたいと思います。
以上
最終更新日:2026年10月16日