企業会計審議会第2回サステナビリティ情報保証部会議事録

  1. 日時:

    令和8年7月3日(金曜)15時00分~17時00分

  2. 場所:

    中央合同庁舎7号館 13階 共用第1特別会議室

  3. 議題:
    • (1)事務局説明
    • (2)討議
  4. 出席者:
    【委員】
    阪智香(会長)、井口譲二、浅川健一、植村一之(オンライン)、甲斐幸子、後藤敏文、芹口尚子、林隆敏、
    藤本貴子、堀江正之、牧野初美、松元暢子(オンライン)、弥永真生(オンライン)、山口奈美
    【金融庁】
    井上企画市場局長、新発田審議官、小長谷企業開示課長、繁本総務課長、反町開示業務室長、
    倉持国際会計調整室長
    【法務省】
    宇野民事局参事官(オンライン)
  5. 議事録

【阪部会長】

皆様、こんにちは。皆様がそろわれましたので、ただいまより企業会計審議会第2回サステナビリティ情報保証部会を開催いたします。御多忙のところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

サステナビリティ情報保証部会長を務めます阪でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日の会議でございますが、企業会計審議会議事規則第1条第2項にのっとり、対面とオンライン会議を併用した開催とさせていただきます。

では、まず、本日の会議の公開についてお諮りいたします。企業会計審議会議事規則第4条第1項にのっとり、本日の会議を公開することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阪部会長】

ありがとうございます。御了解いただきましたので、本日の会議の模様はウェブ上でライブ中継をさせていただきます。

議事録は、作成の上、金融庁ホームページにて後日公開させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

それでは、会議を始める前に、事務局から会議の留意事項をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

事務局を務めさせていただきます企業開示課開示業務室長の反町でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

留意事項などを御案内させていただく前に、記者の皆様におかれましては、以降の撮影はお控えいただきますようお願いいたします。

本日の会議におきましては、オンライン会議を併用した開催としておりますが、オンラインで御参加の委員におかれましては、御発言を希望される際にはオンライン会議システムのチャット上にて、全員宛てにお名前を御入力ください。そちらを確認の上、部会長から指名いただきます。また、御発言される際には、冒頭にお名前をお願いいたします。なお、対面での御参加の委員におかれましては、お名前のプレートを立てていただければ、部会長から御指名いただきます。御発言後は、お名前のプレートを元にお戻しいただくようお願いいたします。

【阪部会長】

ありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただきます。本日は、事務局より資料の説明をした後、質疑応答・討議を行いたいと思います。

それでは、事務局の金融庁から資料についての御説明をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

事務局でございます。よろしくお願いします。

資料1ページの目次を御覧ください。本日は、我が国における基準のあり方・策定方法、保証業務に関する重要な事項、国際基準との調整の各項目について、前回委員の皆様からいただいた主な御意見を紹介し、御意見を踏まえた意見書の骨子のイメージを説明させていただきます。

資料2ページを御覧ください。基準のあり方に関しては、前回、国際基準はグローバルベースラインであるため、加除は限定的な範囲にとどめること、海外子会社がCSRD規制の対象となる場合のことを踏まえ、国際基準と同等の基準が求められることなど、国際基準と整合性が確保された基準とすることについて特段の御異論はありませんでした。

他方、意見書の位置づけに関しましては、監査基準やその意見書と比較しても当部会の意見書の位置づけが分かりにくいといった趣旨の御意見や、親基準である保証基準を策定しない理由を明確化してはどうか、監査基準のように帰納要約すべき実務がない状況だと理解しているなどの御指摘も頂戴いたしました。

3ページを御覧ください。実務指針の策定主体についてです。Non PAが保証の担い手となり得る制度設計であることや、自主規制機関が当面存在しないことを踏まえて、金融庁が関係機関と連携して策定することが適当であるといった御意見。4つ目でございますが、日本公認会計士協会においては、国際基準設定主体の会合等に参加し、知見・実務の積み重ねがあり、実務指針を策定している一方、Non PAが参入する中で、協会の指針をそのまま利用するのではなく、金融庁において全体を俯瞰して基準を策定すべきといった御意見。7つ目でございますが、他方、日本公認会計士協会において公表している実務指針を利用することが効率的である。こういった御意見もございました。

続いて、資料4ページを御覧ください。基準のあり方に関するこのほかの御意見といたしましては、4つ目でございますが、まず名称に関して、日本公認会計士協会が「実務指針」という名で公表しているため、金融庁が作成するものを「実務指針」と呼ぶことには違和感があるといった御意見。また、5つ目でございますが、サステナビリティ情報の保証制度が初めて導入されることに鑑み、意見書については、導入の背景など、これまで議論に加わっていない方にも内容が十分伝わるようなものにすべきであること。また、6つ目でございますが、サステナビリティ情報の保証がどのような考え方に基づくものなのか明確化することに意義がある。こういった御意見を頂戴しております。

資料5ページを御覧ください。こうした御意見を踏まえまして、意見書の全体像のイメージをお示ししております。過去の監査基準の改訂時の意見書、あるいは保証業務の概念的枠組みに関する意見書、これは平成16年のものでございますが、こうしたものにおける構成を参考にしまして、経緯、基準の性格、策定のあり方、あるいは、保証に関する重要な事項、国際基準との調整、こういったものから構成してはどうかと考えてございます。

次に、6ページを御覧ください。経緯に関する意見書の骨子のイメージになります。先ほど御紹介いたしました、これまで議論に加わっていない方にも十分に伝わるように、こういった委員の御指摘も踏まえまして、サステナビリティ情報の保証の導入の背景や考え方につきましてやや詳細に記載をしているところであります。

我が国資本市場の国際的な信頼性を確保する観点から、第三者保証は、IAASB等が開発した国際基準と整合性が確保された基準に従って実施する必要があること、現在国会に提出されている金融商品取引法の一部改正法案においては、将来にわたって保証業務実施者を十分に確保する観点から、監査法人・監査法人以外いずれも要件を満たす場合には登録できる制度が導入されること、当局においては、適切な登録審査を行い、基準の遵守状況や行為規制等についても検査・監督を行うことで保証業務実施者の質を確保していくこと、同時に、企業に過度な負担を課すことなく円滑に制度を導入するという金融審議会の議論も踏まえて、保証範囲については、制度の適用開始から2年間はScope1・Scope2GHG排出量やガバナンス、リスク管理に限定されていること、また、保証の水準は限定的保証とし、合理的保証への移行は行わないこと、サステナビリティ情報の保証はいまだ発展途上にある分野であることから、制度導入後も実務の蓄積を踏まえた課題や諸外国の取組状況を適切にフォローしていくことが重要であること、こういった内容を審議の背景として盛り込むことが考えられます。

続いて、7ページを御覧ください。基準の性格、策定のあり方についてです。まず、第三者保証制度の導入の意義といたしまして、サステナビリティ情報の信頼性を向上させることによって、投資者その他の情報利用者の意思決定に資するとともに、資本市場に対する信頼性を高め、公共の利益に資するものであるということが考えられます。

また、基準の性格につきましては、国際基準と整合性が確保された基準に基づいて保証を実施することは、投資者保護を図る観点及び我が国資本市場の国際的な信頼性を確保する観点から重要であると、こういった前提に触れた上で、こうした整合性を確保した上で、我が国の実情を踏まえた対応を行うために、国際基準と同等な基準としつつ、必要な調整を行ったものを我が国の保証基準等とすることが適当であると考えられます。

また、その名称につきましては、ジャパンの頭文字を取りまして、保証基準はJSSA5000、品質管理基準はJSQM1、倫理・独立性基準はJESSAと置かせていただいております。

続いて、基準策定のあり方についてです。前回委員から御指摘のあった点でございますが、監査基準においては、昭和31年の意見書やその後の意見書におきましても、一般に公正妥当と認められたところを帰納要約した基準と整理されておりますが、サステナビリティ情報の保証業務、これは新しい分野であるために、同じ整理は難しいと考えられます。保証基準につきましては、一般に公正妥当として認められたものではなく、保証業務実施者が遵守すべき基準として法令において指定することが考えられます。この点、具体的な指定のあり方については、追って御説明をいたします。

また、基準の策定主体については、現時点では自主規制機関が存在しないこと、加えて、監査法人・監査法人以外のいずれであっても登録要件を満たせば参入可能であることを踏まえますと、金融庁が策定主体となることが考えられます。

続いて、8ページを御覧ください。引き続き、基準の策定のあり方についてになります。基準の策定には高い専門的知見が必要になるところ、我が国における監査・保証の基準設定主体として実績と知見を有する日本公認会計士協会は、既に公認会計士・監査法人向けに「サステナビリティ保証業務実務指針5000」等を策定しております。

このため、金融庁において同実務指針等を監査法人・監査法人以外いずれの主体であっても遵守することができる基準となるよう適切な修正を加えて、さらに、国際基準との調整内容を反映した上で策定することが望ましいと考えられます。その際に、保証業務実施者・作成者等の関係者の意見も踏まえて策定することが重要と考えられます。

また、将来の基準の改訂に関してですけれども、今後の実務の蓄積や国際基準の改訂を踏まえまして、必要に応じて金融庁において改訂をしてまいりたいと考えております。仮に、国際基準の改訂そのままを反映するのではなく、我が国の実情を踏まえて国際基準からの調整が必要と考えられる場合には、企業会計審議会の審議を経て結論を得ることが適当と考えられます。

8ページ下段の意見書の位置づけについてですけれども、前回御説明のとおり、保証基準等の内容が詳細な手続論が中心になることを踏まえまして、分かりやすさの観点、また、監査法人以外も参入可能であるといったことも踏まえまして、意見書においては、基準策定のあり方を定めるとともに、加えまして、保証業務に関する重要な事項、保証の目的や意義等について取りまとめることが有用であると考えられます。

なお、保証業務実施者が遵守すべきは保証基準等のみであって、意見書において取りまとめる保証業務に関する重要な事項につきましては、新たに要求事項を定めるものではないと考えている旨補足させていただきます。

続いて、9ページを御覧ください。これまで説明しました基準の策定のあり方について図示したものになります。企業会計審議会において意見書を取りまとめ、それを受けて金融庁において関係者と調整の上、保証基準等を策定していくことを表しております。

その関係について、法令上の定め方の方向性といたしましては、右上の青枠のところに記載しております。現在国会に提出している改正金融商品取引法案におきまして、サステナビリティ情報の保証は内閣府令で定める基準及び手続によって行わなければならないとされております。これを踏まえまして、今後検討いたします内閣府令においては、企業会計審議会が指定する主体が策定した保証基準等とするといったことを規定する方向性を考えております。その上で、当部会の意見書において、金融庁を保証基準等の策定主体とすることが考えられます。

続きまして、11ページを御覧ください。保証業務に関する重要な事項についてです。前回の御意見ですけれども、1つ目のところ、意見書に盛り込む事項といたしまして、保証業務一般に関する基本的事項としての目的、独立性・専門性、限定的保証とすること、サステナビリティ情報の保証業務に特有な事項といったことが考えられるということでございます。また、2つ目の御意見として、保証の目的・効果、保証業務実施者の指導機能、保証業務の要件、こういったことを盛り込むべきではないかという御意見。5つ目でございますが、制度導入当初から財務諸表監査のような成熟度の高い保証を求めるのではなく、実務の浸透に応じて段階的に成熟させていく姿勢が重要、こういったものを共通認識にできると良いといった御意見をいただいております。

続いて、12ページを御覧ください。引き続き前回の御意見の紹介ですけれども、3つ目のところ、作成者の負担、投資家の有用性、過剰保証の回避のバランス、こういったところをよく考慮すべきであるという御意見。4つ目のところですが、財務・非財務のコネクティビティという観点から、監査とサステナビリティ保証が別法人である場合に、両者の連携が重要であること、こういった御意見を頂戴しております。

続いて、13ページを御覧ください。こうした御意見を踏まえまして、保証業務に関する重要な事項に係る意見書骨子のイメージであります。基本的には、ISSA5000等を踏まえて特に重要な事項を記載しているという位置づけになります。

まず、保証業務の目的につきましては、サステナビリティ情報に重要な虚偽記載がないかどうかについて合理的な保証または限定的な保証を得て、保証報告書に独立の立場からサステナビリティ情報に対する意見または結論を表明することと記載しております。国際基準には合理的保証についても規定されており、任意で合理的保証を行うケースにも適用される基準であることから、合理的保証についても文言は残しておりますけれども、我が国の保証制度においては、保証の水準としては限定的保証とし、合理的保証への移行は行わないとされている点につきましては、注で明記をしてございます。

続いて、保証業務の実施の前提のところですけれども、平成16年の保証業務の概念的枠組みに関する意見書を参考にいたしまして、職業的専門家としての倫理の遵守、独立の立場から公平不偏の態度を保持すること、職業的懐疑心の保持、こうした重要な概念について記載しております。また、品質管理及び倫理・独立性に関する要求事項を遵守することは公共の利益に資するものであるといったことについても記載をしております。

また、保証対象(サステナビリティ情報の特性)につきましては、2つ目の黒丸のところですけれども、定性情報、見積り情報、将来情報、統制の及ばない第三者から取得した情報といった財務情報と比較して相対的に不確実性が高い情報である、こういった特性等を踏まえて、適切な保証手続を立案・実行することが重要と考えられます。

続いて、14ページを御覧ください。引き続き、保証業務に関する重要な事項に関する意見の骨子のイメージになります。保証範囲につきましては、法令によって第三者保証が義務づけられる範囲は、SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報の一部になりますので、保証業務実施者が結論を表明するため、適用される基準及び保証範囲の明確化が必要になると考えられます。また、保証対象のサステナビリティ情報以外の情報については、「その他の記載内容」として通読及び検討の対象になり、保証業務の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうかを検討すること等が求められます。

次に、財務諸表との関係につきましては、財務諸表監査人と保証業務実施者が異なる場合、両者が適切にコミュニケーションを取ることが重要になります。また、保証基準等に準拠して正当な注意を払い、職業的専門家としての判断において、保証業務の過程で得た知識と「その他の記載内容」の一部である財務諸表との間に重要な不整合が存在する、あるいは、「その他の記載内容」の一部である財務諸表に重要な虚偽表示を含む可能性があると認識して監査人にもコミュニケーションを取ることは、守秘義務が解除される正当な理由に該当すると考えられます。

最後に、その他留意すべき事項についてですが、保証の質を確保しつつ、実務上の負担との適切な均衡を図ることは公共の利益に資するという考え方を示した上で、保証実務がいまだ発展途上であることや、企業に過度な負担を課すことを避けるといった観点から、保証範囲を限定するといった形で設計されている制度趣旨といったものを踏まえて、適切な実務を形成していくことが期待されること、また、段階的に実務や制度を成熟、習熟させていくことについての考え方を示しております。

2つ目の黒丸のところでは、保証業務実施者において、最終的に適切な情報開示が行われるよう指導的機能を発揮することが期待されるということを記載しております。例えば、記載内容に虚偽記載があった場合等に、まずは企業に修正を求めることなどが考えられると思います。

資料15ページから18ページにつきましては、ISSA5000の関連する箇所を掲載している参考になりますので、説明は割愛させていただきます。

続いて、資料20ページを御覧ください。国際基準との調整について、前回いただいた主な御意見を紹介いたします。

まず、ガバナンスに責任を負う者に関しましては、2つ目ですけれども、経営者に対して意見できる立場にない者は適格性がないと考えられる。また、法令違反等事実を発見した場合の通知義務との関係でも、ガバナンスに責任を負う者は原則として監査役等であって、より適任者がいる場合には、企業との間で合意するやり方が適当であるといった御意見、5つ目ですけれども、会社法上の期間に限定せず、企業におけるサステナビリティ情報に関する執行、監督の実態も考慮し、企業と保証業務実施者が合意することが基本、こういった御意見がございました。

続いて、21ページを御覧ください。部分保証につきましては、府令等での手当てを検討すべきであるといった御意見や、開示情報の中に保証が行われた情報とそうでない保証が混在するため、利用者の誤解を避ける観点から、有報の開示の中で保証が行われた情報かそうでない情報か明記することを検討すべき、こういった意見がございました。

審査につきましては、審査の実施を明確化すべきこと、また同時に、過剰な審査手続にならないようにすべき、こういった意見をいただいております。

引継・共同保証についても、監査法人以外の参入を踏まえると重要である、基準においては、現在、監査で求めている詳細な事項までは基準に盛り込む必要はないのではないか、こういった意見を頂戴しております。

22ページを御覧ください。国際基準との調整に関して、御意見を踏まえた意見書の骨子のイメージです。

まず、ガバナンスに責任を負う者については、サステナビリティ情報に関するガバナンスは企業ごとに異なる場合があると考えられるものの、法令違反等事実の通知や、適切にコミュニケーションを行う観点から、一般的に該当し得る者を整理する必要があると考えられます。

このため、意見書におきましては、会社法の機関の設置に応じて、監査役等(監査役、監査役会、監査等委員会または監査委員会)、取締役会が「ガバナンスに責任を負う者」に該当すると考えられること、これらのものを基本としつつ、保証業務実施者がコミュニケーションを行うことが適切な「ガバナンスに責任を負う者」を判断し、保証業務依頼者との間であらかじめ合意しておくこと、こういった考え方を示すことが考えられます。

続いて、部分保証については、適用される基準及び保証範囲の明確化が必要であって、いずれも内閣府令において対応すべきであると考えられます。

また、審査につきましては、サステナビリティ保証業務の質の重要性を踏まえまして、基準において審査を明示的に要求事項とすべきと考えられます。

最後に、引継・共同保証につきましても、保証業務実施者間、とりわけ監査法人・監査法人以外の間における引継・共同保証の対応の重要性に鑑み、基準において引継・共同保証を明示的に要求事項とすべきと考えられます。

最後、24ページを御覧ください。御議論いただきたい事項になります。基準のあり方・策定方法に関し、「経緯」、「基準の性格、策定のあり方」に係る意見書の骨子イメージについてどう考えるか。特に、日本公認会計士協会が策定した「サステナビリティ保証業務実務指針5000」等を基に、金融庁において、監査法人・監査法人以外の主体いずれであっても遵守することができる基準となるように適切な修正を加え、国際基準との調整内容を反映した上で、関係者の意見を踏まえて策定する方針についてどう考えるか。

「保証業務に関する重要な事項」の意見書の骨子イメージについてどう考えるか。特に、国際基準の要求事項の趣旨を踏まえて、明確化すべき事項はあるか。

「国際基準との調整」に係る意見書の骨子についてどう考えるか。意見書取りまとめに向けて、ほかに議論すべき事項があるか。

これらについて御議論をお願いできればと存じます。

私からの説明は以上になります。

【阪部会長】

ありがとうございます。

それでは、これまでの御説明も踏まえまして、今後議論すべき論点について、幅広い観点から御質問、御意見をお願いいたします。限られた時間ではありますが、5分以内で御意見等を頂戴したいと存じます。なお、本日の会議では、経過時間をお知らせするため、御発言から5分が経過したタイミングで事務局によりメモを差し入れさせていただきます。加えて、御発言の順番については若干前後する可能性があるかと思いますが、あらかじめ御了承いただければと思います。

それでは、委員の皆様から御意見、御質問をお出しいただければありがたく存じます。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。林委員、お願いいたします。

【林委員】

発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。口火を切らせていただきます。

事前の説明を伺いまして、この部会、それからこの部会の意見書の位置づけは、私なりにイメージできたかと思っております。その上で、本日御提示いただいた内容にはおおむね賛成なんですけれども、幾つかの点について意見を申し述べたいと思います。大小様々な論点が混ざっておりますが、御容赦ください。

まず、1つ目の我が国における基準のあり方・策定方法についてですが、事務局資料では「保証基準」という表現が用いられています。ISSA5000の「SA」はSustainability Assuranceであるということは承知していますが、やはり「保証業務基準」のほうが適切ではなかろうかと考えています。少し先走りますけれども、今後策定される基準の名称は「サステナビリティ情報保証業務基準」がよいのではないかと考えておりますので、申し添えます。

それから、2点目ですけれども、スライド7の新しく策定される基準は、制度上、一般に公正妥当と認められる基準とすべきと考えます。金商法に基づく財務諸表監査制度との整合性というのは、今般の制度の意味合いを考えましても、非常に重要かと思います。確かに、前回も御指摘がありましたとおり、現在、一般に公正妥当と認められたところを帰納要約するというのが難しいというのはそのとおりですが、この部会で行っている議論あるいは今後の基準策定の手続がいわゆるデュープロセスとして認められるものであれば、そのことをもって一般に公正妥当と認められる基準と表現してもよいのではないかというふうに考えております。

続きまして、スライド8の下の部分になりますが、意見書の位置づけについて、保証基準等の内容は詳細な手続論が中心であると書かれていることに関連しまして、企業会計審議会の監査基準は、日本公認会計士協会が設定する実務指針とともに、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成しております。これと同じように、サステナ情報の保証業務基準も協会の実務指針とのすみ分けを検討してはどうかというふうに考えております。恐らくこの論点は本日の意見聴取の対象からちょっと外れているかと思いますが、関連事項として申し添えます。

続きまして、2つ目は、保証業務に関する重要な事項に関するものです。スライドの13ですけれども、保証業務の実施の前提のところにおきまして、適正なサステナ情報の作成やそれに関連する内部統制の整備・運用に関する経営者の責任、それらを踏まえた二重責任の原則の考え方に関する記述がここには必要ではないかと考えております。最後のほうで指導機能への言及もありますので、それとの関係においても記載があったほうがよいかと思います。

続きまして、スライド14の保証の範囲のところですけれども、私はちょっとこの部分保証という表現が気になっておりまして、「いわゆる」とは書かれているのですが、今回の事務局資料はさておき、今後設定する基準では「部分保証」という表現は用いるべきではないというふうに考えております。開示されたサステナ情報が全体で、その一部分について限定して保証をするという意味合いだと思いますが、実施される保証業務という意味では、対象はあくまでも、契約とか保証報告書で特定される、今回の場合は制度的に特定されるGHG排出量、ガバナンス、リスク管理でして、それを「部分」とは呼ばないだろうということです。また、ISSA5000もざっと確認しましたが、ここでおっしゃられているような趣旨の事柄というのは、Scope、範囲とか Subject to で保証の対象とするという表現がなされていますので、意味内容はこれで結構なんですけれども、表現を整えていただければと思います。

それから、その次の見出し、「財務諸表との関係」は、「財務諸表監査との関係」か「財務諸表監査人との関係」のほうがしっくり来るなと思って読んでおりました。

続きまして、3番目の柱になります。国際基準との調整その他全般についてですけれども、今般、保証業務基準、それから品質管理基準、倫理・独立性基準を策定するに当たって、国際基準を参照されるということですが、これは既に御指摘のとおり、IAASBそれからIESBAの基準体系の中でISSA5000というのが出てきていますので、参照にあたっては留意していただく必要があります。

それから、ISSA5000というのは、国際的に受け入れられやすく、グローバルベースラインとして様々な点について幅を持たせておりますので、それを日本の制度に当てはめるときには、不要なものはできるだけ削り、内容の絞り込みをしていただきたいと考えています。加除は限定的とコメントがありましたが、それとは矛盾しないと思っていまして、国際基準から離れないようにという意味では加除は限定的かと思うんですけれども、ISSA5000に含まれているが日本の制度に当てはまらないものは、絞り込んでいただきたいという趣旨です。

最後に、ちょっと繰り返しになりますが、スライド22の部分保証のところです。ここに適用される基準と保証範囲の明確化が必要と書かれています。この内容と趣旨には賛成ですが、この2つを切り分けて、それぞれ明確化するという整理をしていただければよいのではないかと感じております。

私からは以上です。ありがとうございました。

【阪部会長】

御意見どうもありがとうございました。では、続きまして、オンライン参加の弥永委員、お願いいたします。

【弥永臨時委員】

発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。私は今回事務局から御提案いただいた内容に基本的に賛成です。ただ、2点だけ追加的にコメントさせていただきたいと思います。

1点目は、すごく小さい問題かもしれませんが、指導的機能に言及されておりますけれども、この指導的機能というのは、独立性との関係で緊張関係がございますので、これを書くときには、独立性が損なわれないようにするという、そういう観点からの記述というか、そこを誤解されないようにするための手当てが必要かと考えております。

2点目は、当面は限定的保証ということになっているわけですが、限定的保証というものについて、必ずしもここでサステナビリティ情報についての保証業務実施者の方々が同じようなイメージを持たれるのかどうか、この辺りについて多少心配しております。

すなわち、監査法人、公認会計士の方々は、確かに期中レビューとの関係で限定的保証ということを行っておりますが、期中レビューは、年度監査、つまり合理的保証業務を前提にして行われている限定的保証業務でございますので、その点、今回のサステナビリティ情報保証と異なります。サステナビリティ保証業務については独立して、年度監査に相当するものがない状態で限定的保証業務をなさるわけですので、必ずしも公認会計士、監査法人だからといって、限定的保証のイメージを確実にお持ちかどうかということについては心配するところがございます。

また、ましてや公認会計士・監査法人でない業務実施者の方々にとってみると、限定的保証というのがどういう意味なのか、ここをなかなか理解し難いということもあり得ると思いますので、可能であれば、限定的保証というものがどういうものなのかについて、実施者の方々の間での認識の差をあまり起こさせないような記載がこの意見書でできるといいのではないかと考えています。

以上です。どうもありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、井口委員、お願いいたします。

【井口委員】

御指名いただき、ありがとうございます。また、御説明どうもありがとうございました。最後の御意見いただきたい事項について、意見を申し上げます。

最初の我が国における基準のあり方ですが、この審議に参加していない方も含めて分かるように非常に丁寧に書かれていると思っております。その中で2点だけ申し上げたく思います。

1点目は、7ページ目の下から2つ目の黒丸の一般に公正妥当と認められた基準の表現を使わないというところで、これは林先生もおっしゃっていましたが、私は公正妥当の詳細なクライテリアまでよく存じていないところはあるんですが、また、サステナビリティ保証は新しい分野ではあると思うんですが、元になっている国際保証基準の策定過程でも、公開草案が出されて市場関係者の意見を集めたということもありますし、あと、我が国でも、このサステナビリティ保証部会が公開の場で議論して、その上で法令において指定されるということですので、サステナビリティ開示の基準と状況はそんなに変わらないのではないかと思っております。従って、「一般に公正妥当と認められた基準」という表現の使用を御検討されてもいいのではないかと思っております。

2点目は、8ページ目の上から2つ目の黒丸の関係者の意見を踏まえて作成するというところで、「保証業務実施者・作成者等」と記載されておるんですが、ちょうどその下で使っていらっしゃる「投資者その他の情報利用者」という表現に変えるべきではないかと思っています。これは、この委員会でも、私を含めて利用者を委員として入れていただいておりますが、保証・監査の最終顧客は、利用者と思っていますので、利用者をしっかり入れることが妥当ではないかと思っております。

御議論いただきたい事項の2つ目の保証業務に関する重要な事項ですが、前回の皆様の意見も含めて丁寧に御記載いただいており、特に意見はございません。

最後の国際基準との調整というところですが、22ページの「ガバナンスに責任を負う者」の箇所において、監査役と取締役会の両方を書かれておりますが、私は監査役等だけでいいんじゃないかと思っております。我が国のガバナンスの現状を考えると、取締役会の過半数以上は経営陣が占めるというような状況がありますので、取締役会とすると多くの経営陣がここに加わってしまうということになるので、非常に矛盾した状況になるんじゃないかと思います。従って、ここは、監査役等がガバナンスの責任を負う者に該当すると、これらの者を基本としつつ、ということで文章をつないだほうがいいのではないかと思っております。

以上でございます。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、藤本委員、お願いいたします。

【藤本臨時委員】

発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。藤本です。私も御議論いただきたい事項に沿って幾つかコメントをさせていただきます。

まず、1つ目の我が国における基準のあり方・策定方法についてでございますが、6ページ目の審議の背景のところに記載がございます、4つ目のところになりますけれども、全体的に企業の負担をかなり意識された記載になっているのではないかと思っております。確かにそういう部分はあるのかもしれないですが、あくまでも第三者保証の質を確保するということが資本市場の信頼を高める一助になると考えておりますので、この点、4ポツ目のところに、例えば、「企業に過度な負担を課すことなく」とか、あるいは、14ページ目のその他留意すべき事項のところにも同様の記載がございますので、これらの点について記載が必要となるのかどうかということに関しては、改めて御検討いただければと思います。

14ページ目のところには、「保証実務が未だ発展途上にあること」とも記載されておりますので、まだ実務が醸成していないということも1つの理由になるかなと思いますので、この点、表現の変更を御検討いただければと思います。

続いて、7ページ目になりますけれども、基準策定のあり方の1つ目のところでございます。何名かの委員から御指摘がございましたが、一般に公正妥当と認められたという文言を使用しないということでございますが、ISSA5000自体はプリンシプルベースの基準でございますし、もしこの文言を使わないとなりますと、単なる業務の基準のようにも捉えかねないと思っておりまして、少し懸念があると考えております。改めて御検討いただければと思います。

特に、開示のほうでもSSBJ基準は一般に公正妥当な基準とされておられますし、帰納要約というアプローチではなく演繹的な考え方で、一般に公正妥当と言っても特段問題ないと思っております。

それから、8ページ目の基準策定のあり方について、日本公認会計士協会の「サステナビリティ保証業務実務指針5000」を基に策定するということでございますけれども、策定に当たって御留意いただきたい点ということで、3点申し上げます。

まず1つ目は、ISSA5000、保証基準に関しましては、国際基準との整合性や比較可能性を考えますと、内容はもちろんですけれども、項番号などもぜひ合わせていただきたいと考えております。協会のほうで作成している実務指針も、基本的に項番号を合わせておりますし、あと、我が国特有のものについては、JP項という形で入れていまして、国際基準との差異を明確にしております。この点は、SSBJ基準でも同様に、ISSB基準との差異表や項番号の対照表が公表されてございますので、同じような取扱いがよいのではないかと考えております。

倫理・独立性基準に関しましても、IESSAと整合性を確保したものが必要であると考えております。こちらは法律での手当てもされると考えておりますけれども、それがあるから一部の要求事項を除外するということは望ましくないと考えております。こちらも国際的な比較可能性を考慮して、基準と法令の混合した形にならないよう御留意いただきたいと思います。

それから、品質管理基準ですけれども、こちらは日本公認会計士協会が作成する品質管理基準報告書第1号と同等の内容になることが想定されますが、財務諸表監査においては品質管理基準報告書第1号が必要になってまいりますので、両者の適用関係は明確に整理をいただければと考えております。

また、国際基準が変わったときに今後修正をどうしていくのかということ、8ページ目の3ポツ目にございますけれども、基本的には、全ての修正を審議会に諮るということは現実的ではないと思います。一方で、国際基準との調整が必要と考えられる場合とありますけれども、例えば、重要な内容の改正があったときにはどう対応するのか、どういう場合に審議会に諮るのかどうかといった判断基準は、あらかじめ明確にしていただくのがよいのではないかと考えております。

次に、2点目の保証業務実施者に関する重要な事項についてでございますけれども、こちらは14ページ目になりますが、2つ目に、財務諸表との関係のところでコミュニケーションについて御記載いただいております。ここに守秘義務が解除される正当な理由に該当する、と明記されておりますが、守秘義務が解除されるかどうかは状況によって異なると考えております。第三者を含めた当事者の利益が不当に損なわれるおそれがないかどうか、情報の裏づけが取れているかどうかなど、こちらもIESSA相当の倫理・独立性基準に従って慎重に検討する必要があると考えております。そのため、意見書において該当する、と言い切ってしまうことについては大きな懸念を有しております。

最後になりますけれども、5ページ目に参考として入れていただいております、平成16年に公表されました財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書でございます。こちらと今回の意見書の関係についても整理いただければと考えております。平成16年の意見書は「財務情報等」とありまして、今回の制度の対象はサステナビリティ関連財務情報とも呼ばれていますので、平成16年の意見書との関係性も含まれるものになるようにも考えられますので、御整理いただければと思います。

私からは以上でございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。ほかに委員の皆様から御意見ございませんでしょうか。では、芹口委員、お願いいたします。

【芹口臨時委員】

御指名いただきまして、ありがとうございます。そうしましたら、24ページの御議論いただきたい事項に順にコメントさせていただきます。

まず、第1点目の基準のあり方・策定方法のところですが、経緯、基準の性格、基準策定のあり方に係る意見書の骨子のイメージにつきまして、基本的には異論はございませんが、明確化の観点から2点コメントをさせていただきます。

第1に、前回は「実務指針」の名称が使用されておりましたが、7ページに記載のとおり、今回は、JSSA5000等に名称が変わっている一方で、基準の位置づけとしては、「一般に公正妥当と認められた基準」と整理することは難しいとされております。この内容自体については、1回目の御説明も踏まえまして異論はないところでございますけれども、基準とされる中で、監査や保証に詳しくない方が位置づけを混同する可能性があり得るかもしれないと考えられるところでして、意見書にこの位置づけが明確に分かるように記載しておくことが必要ではないかと考えております。

また、第2に、8ページの基準策定のあり方の3点目に記載のとおり、自主規制機関が設立されるまでの間にISSA5000などの国際基準が改訂される場合には、それに併せて意見書やJSSA5000、JSQM1、JESSAなどの改訂が必要になることも想定されますが、この場合のデュープロセスを明確化しておく余地があるのではないかと思っております。

意見書の修正まで必要な場合には、企業会計審議会での議論が必要になると思いますが、JSSA5000などの改訂を行う場合に、どのような会議体で議論をし、公開草案を公表するかどうか、また、改訂に係る人的なリソースとしては、金融庁を中心に対応されるとは思われますが、そういった内容を明確化しておいてはどうかと考えております。

また、2つ目の論点としまして、意見書に記載する保証業務に関する重要な事項の骨子につきましても、全体として異論はございません。前回コメントさせていただいた内容としまして、部分保証が準拠性の枠組みに基づく保証であること、また、14ページの一番下に、段階的に実務や制度を成熟させていく旨も含めていただきまして、ありがとうございます。

また、今回1点追加のコメントになりますが、14ページの保証の範囲につきまして、当初2年間はScope1・2GHG排出量、ガバナンス、リスク管理に限定した理由を意見書の本文もしくは注記などで明確化されてはどうかと考えております。

先週IAASBが公表をしましたISSA5000に係るFAQに関連することでございますけれども、このFAQでは、保証の対象がサステナビリティ情報の全体か一部かによって重要性の検討・決定が異なるわけではないことが事例とともに明示されておりまして、利用者としては違和感がない内容、賛同できる内容が示されたと思っております。

サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループの議論を振り返りますと、将来的には、諸外国の動向などを踏まえて、段階的な保証範囲の拡大を見据えた上で、当初2年間は、企業の実務負担や開示の体制構築を進めることを考慮しまして、一部の項目に限定されたと認識をしております。このような経緯によって、制度上、求める保証範囲が一部に限定されるからといって、利用者にとっての重要な情報が変わるものではないと考えております。すなわち、利用者は開示情報全体を踏まえて分析、評価、投資判断を行っておりますので、保証による情報の信頼性の確保は重要ではございますが、保証の対象とされた一部の情報のみが重視されるわけではないと考えております。

FAQでは、法規制によって部分保証となる場合、その背景と理由が重要性の決定に影響を及ぼし得るとの記述がございますので、実務の混乱を避ける観点からは、日本の制度として保証範囲を限定した理由を意見書において明確化することが望ましいのではないかと考えております。

続きまして、3つ目の国際基準との調整その他全般について、国際基準との調整が必要な事項につきましても、基本的には異論はございませんが、明確化の観点から1点コメントをさせていただきます。

22ページの部分保証に関しまして、保証範囲の明確化について内閣府令で対応するとされておりますが、保証報告書の記載内容についても明確化されることを想定しております。保証報告書の記載内容につきましては、ISSA5000に限定的保証、合理的保証、準拠性、適正表示などの文例はございますが、日本では部分保証で制度が開始しますので、その具体的な文例を明確化しておく余地もあるのではないかと考えております。

コメントは以上でございます。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございます。続きまして、山口委員、お願いいたします。

【山口臨時委員】

発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。部分保証につきまして、1点確認をさせていただければと思っております。

事務局資料の21ページですけれども、前回発言させていただきました、第三者による保証が行われた情報か、そうでない情報かにつきまして有価証券報告書の開示の中で明記することを検討すべきというような発言をさせていただきまして、こちらの資料でも触れていただきまして、ありがとうございます。

この点、義務的保証の範囲については、先ほど来言及がございますとおり、Scope1・2のGHG排出量、ガバナンス、リスク管理と特定の項目に限定されているわけでございますけれども、任意の保証の枠組みの中では、それらの項目以外の項目についても保証が行われる場合があったり、また、義務的保証の範囲が制度の開始後に拡大されるということも想定され得るということを考慮いたしますと、第三者による保証が行われた情報かそうでない情報かについて、開示される情報そのものに明記されるということは重要ではないかというふうに引き続き考えているところでございます。

また、仮に開示を要求するとなった場合に、開示基準側での措置といたしまして、例えば、開示府令であったり、サステナビリティ開示基準のほうで定めるということも考えられるのではないかと認識してございます。

そのような認識を踏まえまして、本件、意見書とは直接関係いたしませんけれども、事務局におきまして現時点でどのような対応を御検討されているかについて確認できればと思っております。よろしくお願いいたします。

【阪部会長】

ありがとうございます。最後の御質問につきまして、事務局から御回答、コメントをお願いいたします。

【反町開示業務室長】

山口委員、御質問ありがとうございます。

とても重要な御指摘だと思っておりますが、現時点で、事務局として対応の方向性について何か具体的なものがあるわけではありませんので、御指摘を踏まえながら、検討してまいりたいと思います。

【阪部会長】

ありがとうございます。では、牧野委員、お願いいたします。

【牧野臨時委員】

発言の機会ありがとうございます。ソニーの牧野でございます。こちらの内容にはおおむね賛同しつつ、企業、作成者として意見を少し述べさせていただきます。

まず、国際基準と同等な基準としつつ、金融庁が必要な調整を行うということで、この方向性に御支持いたします。特に、昨今、CSRD、NESRSの議論もまた活発化してきておりまして、こちらの点においては、引き続き欧州委員会等と対話を進めていただいて、二重報告それから二重保証の回避をできるように、ぜひ御考慮いただきたいと思っております。策定プロセスの観点においては、保証業務実施者だけではなく、作成者及び想定利用者の意見が引き続き反映される運営をぜひお願いしたいと思っております。

次に、明確化すべき事項ということで質問事項がございますが、こちら実務指針レベルの細かい話かもしれないですけれども、少し述べさせていただきます。

まず、専門性の記載のところですけれども、監査のバックグラウンドがデフォルトで、それ以外のサステナビリティに関するトピック全部が専門性と捉えることがないような記載にしていただきたいというのと、保証にエンゲージする際に、企業がサステナビリティに関するトピックとして挙げている項目の人員を教育して内部醸成しているということがデフォルトであるように、そのような書き方、監査法人やNon PAにもそういった責任があるのではないかということで、そのような記載をお願いしたいと思います。

それから、守秘義務の部分ですけれども、具体的な守秘義務の遵守体制や監査法人とNon PA間の情報共有のルールなども実務指針レベルで明確化していただきたいと思っております。

また、細かい点ですけれども、報告バウンダリーに関して、サステナビリティ情報の報告バウンダリーは財務諸表と異なる場合があり、企業ごとの設定の考え方というのを意見書の中で明示していただけることがいいのかなと思っております。

その次に、見積り情報ですけれども、保証業務実施者が見積りや将来情報に関わる重要な虚偽表示やリスクにどう対応するかについて、過度に保守的な実務に偏らないよう、意見書の中で趣旨を整理していただくことを希望しております。

ガバナンスに責任を負う者についてですけれども、趣旨は理解いたしますが、サステナビリティに関するトピックがすごくバラエティーに富んでいる場合に、監査役や監査役会に話しているイメージや、保証業務実務者がそこでコミュニケーションを行っているイメージがあまりついておらず、限定的という書き方にすることについて少し御配慮いただきたいと思っております。

明確化の観点では、保証範囲について、保証対象外の情報について保証業務実施者がどこまで通読、検討するのか考え方を明確にしていただきたい。そうすることで、企業がどれほどのことを準備しなければいけないのか予見可能性が向上すると思っております。

その他の部分ですけれども、こちらは適正意見の場合だけではなく、限定意見や不表明になる場合の取扱いについても一定の方向性を示していただきたいと思っております。

そして、最後になりますが、本会議での協議事項外と認識しておりますが、SSBJで保証範囲となる部分に関しては、引き続き、保証人のほかに作成者や利用者も協議にお呼びいただければありがたいなと思っております。

以上になります。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、ほかの委員から御意見ございますでしょうか。それでは、後藤委員、お願いいたします。

【後藤臨時委員】

御指名ありがとうございます。

御議論いただきたい事項のまず1点目について、お示しいただきました方針自体には賛同するところでございますが、日本公認会計士協会が策定した「サステナビリティ保証業務実務指針5000」、これとJISSA5000はほぼ同じものになるということですけれども、ほぼ同じような内容のものが2つあるということで、なかなか分かりにくいというか、特に公認会計士・監査法人である保証業務実施者は従うべき基準が2つあるというイメージになりますので、その辺のところの整合性が大事じゃないかと思っております。先ほどの藤本委員の御発言を聞くと、なかなか大変そうだと率直に思っております。

整合性を取るというのも、どこまで生産的なのか、よく分からないところがありまして、きちんと整理するのは非常に大事という気がいたしました。

2点目の保証業務に関する重要な事項というところですけれども、これも方針に賛成するところでございます。保証業務は、単に情報の正確性を確認するというものではなくて、保証業務実施者が独立した職業的専門家としての懐疑心を発揮しながら、十分かつ適切な証拠を収集し、その結果に基づいて利用者に保証の結論を提供するものであると、この点を意見書において明確に示すということは、保証業務の本質に対する利用者の理解を促進するという観点から重要であると考えるところでございます。

3点目、国際基準との調整ですけれども、ガバナンスに責任を負う者の記載案というところでございまして、これも井口委員と同じ意見を持っておりまして、日本における取締役会では、モニタリング型に特化しているというのはそう多くはなくて、過半数の方が経営陣に加わっているというところを考えますと、取締役会が独り歩きしてしまい、誤ったイメージを与えてしまうのではないかという印象はございます。

ということで、お示しいただきました文案のところでは、注に記載するやり方もあるかとは思いますが、取締役会はあえて触れずに、原則として監査役等が該当すると考えられるという言い切りをして、それらのものを基本としつつ云々という表現でもいいのではないかと私も考えるところでございます。

以上です。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、浅川委員、お願いいたします。

【浅川臨時委員】

御指名いただきまして、ありがとうございます。JQAの浅川でございます。資料御説明いただきまして、ありがとうございました。私からも御議論いただきたい事項に沿ってコメントさせていただければと存じます。

まず、1つ目の経緯、基準の性格、基準策定のあり方に関わる意見書の骨子イメージ、6ページから8ページのものですが、事務局案に基本的に賛同いたします。

特に、8ページのところに出ておりますが、基準の策定のあり方など、金融庁様が主体となって策定されるということで、今まで出されているサステナ保証業務実務指針5000ですとか品質管理基準第1号その他、こちらを監査法人以外の主体であっても遵守できるような形で適切な修正を加える、あるいは、お話にも出ていましたが、その際には関係者、保証業務実施者や作成者等の意見も踏まえるということは大変重要なプロセスかと思いますので、賛同したいと思います。

その際には、やはり非財務情報特有の特徴というのもいろいろあるかと思いますので、これまでの任意のサステナビリティ保証で得られた知見等もぜひ活用していただいて、その先の基準策定時の参考にしていただけるといいのかなと思いました。

次に、保証業務に関する重要な事項に係る意見書の骨子イメージ、13ページ、14ページですが、こちらにつきましても、事務局案に基本的に賛同いたします。

その上で、幾つかお話もあったかと思いますが、国際基準等の要求事項の趣旨を踏まえて明確化すべき事項ということで、その先の基準策定時に特に抽象的な概念や認識がばらつきそうな事項、例えば重要性や保証水準、専門性といったところについては、策定される基準での意図が明確になるような事例とか具体的な情報があれば、より分かりやすい基準ということで明確にしておくとよいのかなと思いました。また、そうすることで、国際基準の要求事項の趣旨、あるいは、様々な立場の関係者の共通理解促進にも資するのかなと思います。

3点目としまして、国際基準等の調整に関わる意見書の骨子イメージということで、22ページですが、こちらも事務局案に基本的に賛同いたします。

その際には、6ページの経緯のところでも述べられておりますが、その時点での各国の取組状況のフォローとして、その時点での欧州、米国、アジア等各法域での国際的な非財務情報保証に関わる動向なども併せて示されると、今回の基準策定の国際的な立ち位置といったものがより明確になるのかなと思いますし、また、その際に、非財務情報特有の情報としていろいろな階層での必要な力量とか専門性といったものへの言及があれば、より重要な情報となるのではないかと思いました。

私からは以上でございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、甲斐委員、お願いいたします。

【甲斐臨時委員】

日本公認会計士協会テクニカルディレクターの甲斐です。発言の機会をくださり、ありがとうございます。私からも、御議論いただきたい事項に沿ってコメントさせていただきます。

まず、1つ目の我が国における基準のあり方・策定方法について、8ページの冒頭の部分に関連してコメントさせていただきます。基準策定のあり方に関して、日本公認会計士協会の「サステナビリティ保証業務実務指針5000」等を基に基準を策定するという方向性に異論はございません。この点、先ほど藤本委員から、基準の策定の際にはISSA5000と内容に加えて項番号を合わせ、また、我が国特有の要求事項については明確に識別できるような形にしてほしいというコメントがありましたが、これについては、私からも同じお願いをさせていただきたいと思います。

なぜかと申しますと、今申し上げたような形で、国際基準との整合性や比較可能性を確保することは、日本の基準は国際基準と同等であるということを対外的に示し、それによって、我が国におけるサステナビリティ報告、保証の信頼性に対するグローバルでの理解を確保するために非常に重要なポイントになるためです。ですので、ぜひお願いしたいと思っております。

次に、御議論いただきたい事項の2つ目について、1点発言させていただきます。13ページ目の「保証対象(サステナビリティ情報の特性)」という表題の部分です。こちら少々細かい点となり恐縮ですが、ちょうど次の14ページ目の冒頭に保証範囲について記載がありますので、13ページの「保証対象」というのは14ページの保証範囲とは別の話として御説明されていると思うのですが、我が国においては、「保証対象」と言いますと、保証範囲のほうで説明されている、いわゆる部分保証の話と理解される可能性があって、表現が少々混乱するように思いました。

細かい表現の話で大変恐縮ですけれども、例えば、13ページの表題からは「保証対象」という表現を削除するといった工夫をしていただけるとよいのではないかと思いました。

それから、次に、御議論いただきたい事項3つ目の国際基準との調整について、2点発言させていただきます。

まず、22ページで挙げられている4つの項目のうち、ガバナンスに責任を負う者と部分保証は、日本の実務に落とし込んだときに検討が必要な項目で、基準の考え方を明確にすることは対応として大変重要だと考えていますが、国際基準を修正するといったような性質ではないように思います。

関連しまして、8ページの一番下では、「『四.国際基準との調整』の記載内容は、基準において要求事項として定めるべき内容が含まれている。」と説明されております。この点、22ページで記載されているガバナンスに責任を負う者の基本的な考え方に相当する部分は、基準の定義等で扱う部分ですし、また、部分保証というのは、22ページにも記載のとおり、基本的には内閣府令等で対応すべきものかと思います。

ですので、ガバナンスに責任を負う者と部分保証の話が国際基準との調整というセクションに記載されていることに、やや違和感を覚えました。こちらは、例えば表題を見直していただくとか、この2つについては、意見書の別の箇所、例えば、保証業務に関する重要な事項のところに記載していただくといったことを御検討いただけるとよいのではないかと思いました。

最後に、「ガバナンスに責任を負う者」については、ISSA5000では、「企業の戦略的方向性と説明責任を果たしているかどうかを監視する責任を有する者または組織をいう。」と定義されております。今後策定される保証基準において明確にされるものと思ってはおりますが、意見書においても、同様の定義を採用することによって、経営者を監督する責任・役割を持つ主体が該当するということを明確にしていただけるとよいのではないかと思いました。

私からは以上となります。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。では、オンラインで御参加の松元委員、お願いいたします。

【松元委員】

御発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。私も御議論いただきたい事項に沿って御発言させていただきたいと思います。

意見書の骨子イメージにつきまして、いずれにつきましても大きく違和感のあるところはございませんで、事務局が示された方向性に賛同いたします。若干言葉の使い方がどうなのかといった既に御指摘があった部分であるとか、より広い会計の専門家でない方が使うかもしれないことを踏まえて分かりやすくといった点については、ぜひ御対応いただけるとさらにありがたいかなというふうに思います。

それから、2点目の具体的な策定のあり方のところにつきましても、金融庁において適切な修正を加えて、国際基準との調整内容を反映した上で、関係者の意見を踏まえて策定するということにつきまして、賛成いたします。

今日は以上になります。よろしくお願いいたします。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、オンラインで御参加の植村委員、お願いいたします。

【植村臨時委員】

御指名ありがとうございます。植村です。本日はオンラインで失礼いたします。

私からも、24ページの御議論いただきたい事項に従い、コメントを申し上げます。本日事務局で御準備いただいたものに基本的な線は同意しております。

まず、1つ目の黒丸ポイントの意見書の骨子イメージについては、基本的に賛同です。特に、6ページの審議の背景、4ポツ目②のとおり、保証の水準は限定的保証とし、合理的保証への移行は行わないことを明記することについては評価いたします。

次に、2つ目の黒丸ポイントの我が国の保証基準等の具体的な策定のあり方については、基本的に今の方向性でよいのかなと思います。ただし、先ほども意見があったかとは思うのですけれども、以下の課題への対応があるのかなと思っております。

1つ目の課題は、合理的保証のところでございます。今の日本公認会計士協会の「サステナビリティ保証業務実務指針5000」はISSA5000がベースなので、合理的保証についても規定されていますけれども、我が国の法令に基づく第三者保証は限定的保証という形で設計されているということで矛盾もありますので、合理的保証についての規定は削除するか、あくまでも任意の保証としての付属的な説明にとどめるような変更があっていいかと思います。

2つ目の課題は、JSSA5000等を作成した場合に、現行の日本公認会計士協会の「サステナビリティ保証業務実務指針5000」が併存する形になるのは、やはり関係者も含めて混乱することを懸念いたしますので、日本公認会計士協会の「サステナビリティ保証業務実務指針5000」については適用停止か廃止していくということが望ましいのではないかと考えます。

3つ目のポイントになりますけれども、黒丸ポイントで、保証業務に関する重要な事項に係る意見書の骨子イメージにつきましてですが、13ページ目の1つ目のところ、先ほど事務局からも御説明いただいたとおり、保証業務の目的に合理的な保証または限定的な保証、注書きという形で記載いただいておりますけれども、法制度的には合理的保証は一旦は考えないということにしていることもありますので、文脈としては、本文には合理的保証の表現はなくてもいいのかと思います。注釈に入っているので、それは十分理解できるのかと思います。もしくは、少なくとも限定的保証と合理的保証の順番を入れ替えた方がいいかと思います。

また、ここのところで改めて思ったのですけれども、「合理的な保証」や「限定的な保証」という文言と、今までよく使っているISSA5000の翻訳の用語、「限定的保証」と「合理的保証」というのがそれぞれ並列するような形になりますので、全て「合理的保証」「限定的保証」と「な」を用いずに統一したほうがすっきりするのではないかと考えます。

続きまして、サステナビリティ情報の保証と財務諸表の監査、レビューについては、やはり根本的な差がありますので、14ページの下のその他留意すべき事項に記載のとおり、サステナビリティ情報の保証実務はいまだ発展途上にあって、関係者はサステナビリティ情報の保証は国際的にも新しい分野で段階的に実務や制度を成熟させていくということの相互共有が非常に重要だと改めて思っているということでございます。

4つ目の黒丸のポイントですけれども、特に国際基準ISSA5000等の要求事項の趣旨を踏まえて明確化すべき事項ということにつきましては、私は基本的に大きくはないと思っています。というのは、グローバルベースラインのISSA5000等の要求事項を超えるというのは過度に保守的な方向に向かうことになりますので、この規定は行うべきではないと考えているということでございます。

5つ目のポイントになりますけれども、国際基準との調整に関するところですが、審査のところで、前回の意見では両論あったかと思います。すなわち、サステナビリティ情報の保証業務の質の重要性があるから今回は審査を明示的に要求事項とするという判断をしているかとは思いますけれども、前回の意見でも、立ち位置も違うなかで、そこまで必要があるのでしょうかという意見もあったので、ここで一旦寄せてしまう、固めてしまうのはどうかなということで、もう一度立ち止まって考えてみてもいいのではないかと思っています。

あと、本日この点はコメントするつもりはなかったのですけれども、何人かの方々から御意見が出ましたので、私も述べさせていただきたいと思います。「ガバナンスに責任を負う者」というところでございますが、「取締役会」が入っているというのは、私は全く違和感はなくて、会社法の機関の設置に応じてという文脈になっているので、逆にないほうが違和感があるのかなと思います。ここには「取締役会」は残しておくということが妥当かなと思います。

特に会社法におけるサステナビリティ情報の取扱い等については、なかなか進まないところもあるかなと思うところもあります。一方、会社法における監査役会、監査役の方々の法的立ち位置というのは、会社法関連書類の監査報告書を発行する立場でもありますので、おのずとそこは重みが違うと考えます。金商法関係のサステナビリティ情報の保証についても、全て監査役会に行ってしまうというのは本当に正しい姿なのかと思います。もちろん18ページの例示を踏まえて「これらの者」を基本として考えるということで十分ではないかなと思います。

以上です。ありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。ほかに御意見はいかがでしょうか。では、堀江委員、お願いいたします。

【堀江委員】

既に各委員の先生方から貴重なコメントが出ましたので、私からは特に申し上げることはないんですけれども、2点、重なる意見になってしまいますが述べさせていただきます。

1点目は、資料の9ページ目になりますけれども、藤本委員から、平成16年の財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書、これは企業会計審議会から出ているものですので、新しく策定される意見書との関係を明確にしてくださいという話でありまして、平成16年の意見書のサステナ版を策定されることになると思いますが、例えば、限定的保証、合理的保証なんていうのは平成16年の意見書にもう既に書かれていますから、今般の意見書はサステナ情報の特質がキーワードになると思うので、そこをうまく出して策定されたほうがいいかと思います。

特に、このサステナ情報というものに対してなぜ保証が必要か。今、企業サイドでは、開示の負担ですとか、それから「アシュアランス疲れ」なんていうような言葉も出てきているわけでありますので、開示や保証の必要性についても丁寧に説明する必要があると思います。

また、サステナ経営とどうやってうまくリンクするのかとか、あるいは、例えば、SSBJ基準への準拠、この文言は保証報告書に書かれると思うんですけれども、GAAPへの準拠というのは、企業の財政状態、経営成績、キャッシュフローの状況を表しているということになりますが、SSBJ基準に準拠するって一体何を意味するのか、ということもきちっと説明する必要があるのではないかというふうに思います。この辺りについても突っ込んで、サステナ情報の特質をうまく出される必要があるのではないかと思います。

もともと平成16年の概念的枠組みの意見書も、よく読むと、財務情報以外の保証にも援用可能であると書いてある。ですから、どういう保証でも使える。ただ、この意見書ができたときの背景というのが今とは違いますので、そこはちょっと気をつける必要があります。もともと米国における議論がベースにあって、監査業務だけでは食べていけないという危機感があった中で、職業会計士の業務範囲を広げていこうという趣旨でしたので、ちょっと御注意いただかないといけないと思います。

2点目は、後藤委員からもご発言ありましたが、保証基準はこれから新たにつくられる基準なんです。これが国際基準と平仄を取らないという選択肢は多分ないと思うので、そうなりますと、新しく金融庁としてつくられる基準と国際基準とJICPAの実務指針が全く同じものとなっていませんか。仮にここで一工夫されて、金融庁でつくられる基準が、国際基準に足し算をするならば、JICPAもこれに合わせて足し算をしないといけない。逆に、引き算をしたときどうなるかということなんですけれども、多分JICPAは引き算はできないと思います。そのような状況の中で、片方は「基準」と呼び、片方は「実務指針」と呼ぶことに混乱は生じないでしょうか。新たに基準を策定されることについて、私は賛成なんですけれども、さて、どうやってつくられるのかなと本当に心配に思います。もし工夫を加えろと言われても、きわめて難しいというのが本音でして、どういうふうにこれからもっていかれるのか。

ですから、私は冒頭から国際基準を抽象化したものを策定されることを提案しており、ISQM1を品質管理基準に落とし込んだときの要領で少し抽象化する方がよいのではということも考えましたが、ここまで来ると恐らく間に合わない。今後どういうふうにされるのか、実務で混乱を招かないようにしていただければというふうに思います。

最後、言おうかどうしようか迷っていたんですが、委員の先生方は国際標準に合わせろ合わせろと仰るんですけれども、例えば、国際標準にない考え方で、KAM(Key Assurance Matters)を入れたらどうかなと思っております。これは冗談半分、本気半分なんです。

というのは、今回の制度では、合理的保証なきところに限定的保証をやるんです。限定的保証というのは、合理的保証に極めて近いレベルの保証水準となったり、本当に保証と言えるのかみたいな低い保証水準となったりすることが起こり得ます。だから、どういうところに焦点を置いて保証をやったのかということを保証報告書に書いてもらう。国際基準になくても、追加はできると思うんです。こういうちょっとチャレンジングな姿勢があってもいいかなと思っておりますが、国際基準との関係で、ぜひ甲斐先生のコメントをいただければと思います。

【阪部会長】

甲斐委員、お願いいたします。

【甲斐臨時委員】

IAASBでの議論をご紹介しますと、KAMに関しては、国際監査基準に導入した後に適用後モニタリングを実施いたしました。その際、KAMを財務諸表監査以外の他の業務に広げたほうがいいかどうかに関して、色々なステークホルダーの方の御意見を集約すると、財務諸表監査に限定しておいたほうがいいというコメントが多かったという状況でした。また、やはりサステナビリティ保証は新しい分野でもあるので、まずは導入しないほうがよいだろうということで、KAMはサステナビリティ保証基準には入れなかったということがございます。

加えて、これは私見となってしまい恐縮ですが、今、堀江先生がおっしゃったように、限定的保証で提供される保証水準は、合理的保証より少し下の水準からかなり下まで幅があります。そういう特徴があるため、限定的保証の保証報告書には、必ず手続の概要を記載することになっております。KAMと仕組みは違いますが、手続の概要の記載を読んでいただくことで、どのような保証が行われているかについては、ある程度御理解いただける形になっていると思います。

【阪部会長】

堀江委員、お願いいたします。

【堀江委員】

甲斐先生から背中を押していただいたので、ぜひ御検討いただければと思います。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございます。では、堀江委員からのご発言につきまして、事務局よりコメントお願いします。

【反町開示業務室長】

堀江先生、ありがとうございました。

2点目で、金融庁でどのように基準を策定していくのか、という点を御指摘いただいたと思います。今回委員の皆様に御審議いただいた国際基準との調整事項、これがまさに国際基準からの変更部分ということで、金融庁として反映していく部分だと思っています。今ご議論のあったKAM以外のところについて申し上げますと、何か金融庁のほうで勝手に新しく加える、あるいは、引き算するということは基本的に考えてございません。

その上で、今回事務局資料にも書かせていただきましたとおり、公認会計士協会でつくられたサス保実5000、これをベースに金融庁のほうで策定していくということになります。国際基準をベースに策定していくことも考えられましたが、このサス保実5000をベースにさせていただけるということで、公認会計士協会の専門性などを活かした適切な翻訳等をベースに、金融庁として監査法人以外の方も守れるような形で修正していくということで、作業については一定程度効率化ができると考えているところでございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

これで全ての委員の皆様から御意見をいただいたわけですけれども、まだ時間もございますので、もし2回目の御発言を希望される方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。オンラインで御参加の皆様もいかがでしょうか。

特に御発言の御希望がありませんでしたので、では、本日の部会は、少し早いですけれども、閉会のほうに向かわせていただきたいと思います。

本日、皆様から様々な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。次回のサステナビリティ情報保証部会では、本日いただいた御意見等を踏まえまして、引き続き、委員の皆様より御意見を伺ってまいりたいと存じます。

それでは、最後に、次回の日程等について、事務局から御説明をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

今後の日程につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で最終的に決定させていただきたいと思いますので、御案内をお持ちいただければと思います。

【阪部会長】

それでは、以上をもちまして、第2回サステナビリティ情報保証部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

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