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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2026年9月8日(火曜日)
11時27分~11時48分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

なし

質疑応答

日米戦略的投資イニシアティブ

Q:先週の訪米について伺います。日米の戦略的投資イニシアティブは覚書の署名から1年が経過しました。これまでに公表された第1弾、第2弾の案件は合わせて約1,090億ドルで、5,500億ドルの全体の投資枠の約2割になります。大臣は現在の進捗をどのように評価していますでしょうか。また、今回の訪米でAIや半導体製造への言及がございましたら、現時点で日米いずれかから第3弾の具体的な事業提案や打診があるのでしょうか。よろしくお願いします。

A:昨年9月に了解覚書に署名して以来、6つのプロジェクトを発表するなど、投資イニシアティブは着実に進捗しているものと評価しています。特に第2陣の案件として発表した、ガス火力発電所の建設プロジェクトでは、外国銀行の参画、端的には米銀でありますけれども、これが実現いたしました。これにより、外貨調達が円滑になり、投資イニシアティブを一層安定的に推進できるようになったということで、先週のラトニック商務長官との会談においても、その点を共有をしたところでございます。今後、具体的にどのような案件が組成されるかについて、予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思いますが、ご理解を頂きたいのは、要するに両面あって、早く進めろという声もあるけれども、一方で、採算は大丈夫かという声もあるわけで、了解覚書に基づき、具体的な案件の選定にあたっては、収支相償・償還確実性と大赤字を出したりしないよと。ちゃんともうかるプロジェクトをやりますよということを確保しなきゃいけないというような、口語で言えばそういうことであります。それから、日本企業への裨益があることも了解覚書には書かれています。これも口語で言えば、日本企業がしっかりもうかってメリットがあることということになります。あるいは、もうちょっと言うと、裨益の中にはもうかるということだけではなくて、多少採算ぎりぎりでも、将来の事業に大きくつながる可能性が開けるとか、そういうようなことがあれば、我々、その辺はよく米側とも議論しながらやっていくわけですが、いずれにしても、収支相償・償還確実性、それから日本企業への裨益といった点について、しっかりと米側と協議をするということが条件になっておりますので、この日米両政府で構成される協議委員会で、その辺をしっかり確認し協議を進めていくと。確認が取れなければ、これは条件を満たさないので、前に進めませんので、そういう意味では今5,500億ドルの約2割ということでありました。結果的に見れば、そういうことでありますけれども、私どもとしてはしっかり進めていこうとしておりますし、着実に進んできているものという認識でおります。今後の経済成長や社会の繁栄にとって、AIや半導体の役割が高まっていくということです。私の言葉で言うと、これからはAIが社会や経済のメタレイヤーになるということを申し上げていますけれども、そういった産業をはじめとした経済安全保障上重要な分野の動きを注視しつつ、引き続き特別なパートナーと認める信頼関係の下で、日米の相互利益の促進を図ってまいります。これは当然、経済安全保障の確保にもつながりますし、経済成長の促進にもつながると、そういったプロジェクトの組成・実施を進めてまいりたいと考えております。

中国のアンチ・ダンピング仮決定

Q:中国商務省の方が半導体の製造のときに用いる化学物質であるジクロロシランについて、日本に対してダンピングに対する、不当に安くするダンピングがあったとして、企業に対して保証金の納付などを求めるという発表がありました。それに対しての大臣の受け止めと、それから、どういうふうに企業、影響を受ける企業を支えていくか、あるいは中国側とどのように交渉して、この案件を進めていくかというところについてお願いできますでしょうか。

A:まず、ジクロロシランですね、半導体製造プロセスで使用される原料ガスということのようです。熱を加えるとシリコンが半導体の絶縁膜として形成されるということのようでありますけれども、そういった意味で、半導体の製造工程で使われる化学物質ジクロロシランについて、昨日9月7日月曜日に中国政府が行っているアンチ・ダンピング関税の調査において、同国政府がその対象となる日本企業に対して、最大99.2%の暫定関税を付加する旨の、仮の決定を行ったと承知をしております。我が国としては、調査対象となっている日本の企業と緊密に連携しつつ、当該調査の状況や影響を十分に精査して、事業活動に不当な影響が生じないように、適切に対応してまいりたいと思っています。その関連で一言申し上げれば、中国政府による輸出管理が行われていると、ご案内のとおりであります。これについては、我が国のみをターゲットとしたデュアルユース品目の輸出規制措置ということでありまして、特定の国やグループを対象に輸出管理を行わないという国際的な慣行にも反していると、我が国として強く抗議するとともに、その撤回を申し入れているところであります。我が国としてはG7を始めとする同志国との連携を引き続き強化しつつ、日本企業とも緊密に協力しながら、中国による輸出規制措置に適切に対応してまいりたいと考えております。

ロシア制裁に伴う輸出禁止措置

Q:既に出ているかもしれませんが、ロシアへの輸出管理についてお伺いいたします。ニューヨークタイムズが今年7月、ロシア軍のスパイが東京を拠点として物資を調達し、第三国経由でロシアに送り、ウクライナ侵攻に軍事転用されていると報じました。報道から2か月がたちますが、輸出管理を所管する経産省としては、日本からロシアへの製品の流出については事実関係の調査というのはされていますでしょうか。

A:報道については承知しておりますが、輸出管理に係る個々の事実関係についてコメントすることは差し控えたいと思います。そのうえで一般論として申し上げれば、我が国では2022年2月のロシアによるウクライナ侵略を受けて、国際社会と連携しつつ、ロシア制裁の一環として広範の輸出禁止措置を実施しております。引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。

Q:1点だけ追加で、個別のことということに関してではなく、先ほどロシアには広範な禁輸措置をされているとのことでしたが、ロシアなり制裁対象になっていたり、輸出が制限されている国に対して、第三国経由で製品が渡ってしまっているという指摘があります。それに対しては、大臣は今の輸出管理で日本はロシアへの物資の流出を防げていると、十分に防げているとお考えでしょうか。

A:繰り返しですね、報道について承知していますが、輸出管理に係る個々の事実関係についてコメントすることは差し控えます。その上で一つだけお尋ねをしますけど、記事は読まれましたですか。その中に書かれていることに、こういった企業からロシア向けに武器の部品になるようなものが輸出されていると名指しされた企業は、何て答えていたか覚えておられます?そういう企業は何て言っているかというと、その指摘を受けた部品については大変古いものであって、ここ数年我が社はもう作っておりませんというお答えをしています。そういうことも含めて、何かしら私の方はですね、輸出禁止措置をきちっと広範にしておりますが、その措置がちゃんと取られていないとか、穴が開いているとか、現実の問題が生じているという認識を現時点では持っておりません。我が国は関係国とですね、共同しながら適切に対応しているという認識でございまして、その記事はもちろん私も承知をしておりますし、目を通しておりますけど、そういう認識でおります。

大臣就任から来月で1年

Q:大臣は就任から来月で1年になると思います。この間、関税交渉であるとか中東情勢対応に当たってこられましたけれども、改めてご自身の働きへの評価、また今後取り組みたいことというところをお聞きできればと思っていまして、今ちょうど内閣改造も予定される中で、その大臣も留任か交代の可能性があると思いますが、その辺りの受け止めも含めてお願いいたします。

A:昨年10月にですね、経済産業大臣を拝命して以降、これまでの仕事ぶりの評価という話でしたが、ご案内のとおり、私の仕事ぶりを評価するのは私ではありませんので、そういう立場にはないということでお許しを頂きたいと思います。国民の皆様の命と暮らし、経済活動を守るため、経済産業行政が直面する諸課題ですね、これに端的に言えば平時の課題にも全力で対応してきたつもりでありますし、それ以外にもですね、総理からのご指示を頂いて日米の関税合意を受けた対応といった、ある意味有事対応、中東情勢対応も同様です、有事対応でありますし、熊本地震対応、そういった三つの有事対応にも全身全霊で取り組んできたつもりであります。例えば、日米間の関税合意については、合意したことを実行に移していくことが重要と考えています。日米の戦略投資イニシアティブについては、「特別なパートナー」と認め合う米国との信頼関係の下、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進に資する6案件を既に発表済みであります。また、第221回特別国会では、産業競争力強化法等、産業技術力強化法、電気事業法の3本の改正法案を全て可決いただいたところであり、私も法案審議で約400のご質問に丁寧にお答えさせていただきました。二つ目の有事対応でありますが、今般の中東情勢に対しては、国民の皆様の生活と経済活動を守るため、燃料への緊急的な激変緩和措置を実施してきた。あわせて備蓄の放出や代替調達により原油や石油関連製品等の安定供給確保に尽力をしてきました。その結果、「日本全体として必要となる量」は確保することができており、また、供給の偏りや流通の目詰まりに対しては、相談窓口の設置や直販スキームの構築など、一つ一つ丁寧に対応することで、1週間あたりの相談件数はゼロに近付いており、解消が目前であると確認されたと認識しております。更に、この度の中東情勢を受けて、化石燃料の調達安定化の抜本向上ですね、それとGXの加速強化の二つの強靭化が更に更に必要であるという観点から、「エネルギー需給構造強靭化のための総合パッケージ」、いわゆるパワーGXですね、これを最近取りまとめさせていただきました。中期的な視点からもこれまで以上に強靭なエネルギー需給構造の実現を目指してまいります。それから三つ目の有事対応ですが、令和8年熊本地震については人命・人権最優先、自ら決断せよと、早く大きく構えよ、という私が日頃から唱えている防災のリーダー、有事の心得、これをしっかり経産省の諸君に説いた上で、電気、ガス、ガソリンスタンドといったライフラインの早期復旧や避難所への物資供給に全力を尽くしてまいりました。私自身も現地を訪問し、現地の方々や木村知事のご要望も踏まえ、経済産業省として、被災事業者の施設・設備復旧支援や金融支援、インフラ復旧支援を柱とする146億円の被災者の支援策を取りまとめました。我が国は災害大国であり、防災は私のライフワークでございます。年内にも発足する防災庁が発災から復旧・復興まで一貫した災害対応の司令塔になることを期待するとともに、私自身も、徹底した事前防災の取組や迅速な発災対応、福島、能登、熊本といった被災地の復旧・復興に心血を注いでまいりたいと思います。以上、約三つの有事対応あるいは国会での法案についてお話しましたが、経産省としては、やっぱり平時の対応も当然重要でありまして、我が国の成長戦略を進めていくにあたり、あらゆる産業分野のAIトランスフォーメーションですね、AXが肝になってくると思います。先ほど申し上げたように、社会経済のメタレイヤーにAIがなっていくということです。世界有数の製造現場を持つ我が国、そして世界唯一の廃炉の現場を持つ我が国であります。また、超高齢社会であり災害大国でもあります。ということで、ビッグデータ×AIの時代に、個性的で価値のある現場のビッグデータ、繰り返しますけど、世界有数の製造現場、世界唯一の廃炉の現場、あるいは超高齢社会、災害大国と、そういったところにビッグデータがあるわけで、これを徹底的に活用することが我が国の勝ち筋であり、「ピンチをチャンスに」変えていくことになる、世界共通の課題解決に貢献することができると。その答えが、よく言われるとおりでフィジカルAIということでありますので、AIの開発自体はなかなか米中の天才君たちに及んでいないところがありますけれども、そういったことを乗り越えて、フィジカルAIの部分で我が国は勝ちを目指すと、必ず勝つという思いでやらせていただいています。こうしたAIトランスフォーメーション事業を含む令和9年度概算要求を、8月31日に提出させていただいております。そのうえで、内閣改造についてもご質問がありました。人事権者である総理がお決めになることであり、私から申し上げることは特にございません。どのような役割を頂戴するにせよ、引き続き、私自身の問題意識としては、実質賃金が継続的にプラスとなる強い日本経済ですね、これを実現すること、そして国民の皆様が「昨日より今日、今日より明日」豊かさを実感できる社会、そして強い日本、これを徹底追及していくという思いに変わりはございません。

最終処分場の文献調査

Q:核のごみの常陸大宮市への文献調査の申入れについて3点お尋ねします。大臣の先日のご説明ですが、エネ庁による勉強会を複数回開催したとおっしゃいましたが、勉強会の結果、国や常陸大宮市が市内での文献調査に関心を寄せているという情報が一部の市民に伝わって、市民による文献調査への要望につながったという理解でよろしいでしょうか。二つめは、国としてしっかり説明するとの御発言がありましたが、常陸大宮市長にはいつ個別訪問をして、その後、勉強会をいつ、何回開催したかなど、これまでの経緯についても国として説明すべきだとお考えでしょうか。最後に、常陸大宮市が文献調査の受入れを表明するまでに、NUMOあるいは行政による住民説明会は必要だとお考えでしょうか。よろしくお願いします。

A:それでですね、ご通告がない場合には事務方の説明を後で受けてくださいということでお話をすべき問いもちょっと今含まれていたと思うので、それ以外のところについてですけど、私のまず認識は、1番目について言うと、これは行政から話を持ちかけました文献調査についていろいろな説明をしている自治体は多数あるわけで、その中で、それを聞いた議員さんが自分の支援者さんたちとお話をされたり、そういうことの中で市民からの要望というものがまとまったという認識を私自身はしております。それから、勉強会の開催の経緯とか、いつやったかとか、ちょっとこれはもうご通告を事前にもらっていればメモができていたと思いますが、もらっておりませんので、事務的に。

Q:その、あれは事務方でいいんですけど、そういったことを国として御説明するお考えはありますか。

A:それは事前に通告を頂ければ、私から説明しても構いませんけど、それについては。

Q:事務方として説明をしていただけるということでよろしいでしょうか。

A:もちろん相手のある話なので、その相手方が当然ながらそれについて、我々もどういう形で開示するかは検討しますが、ちょっとその情報について、これまで出した情報であれば先方にも確認する必要がありますので、幾つか手放しに私が開きたいと言ったら、相手のある話について開けるとは限りませんが、基本的にお話しできることは最大限させていただきたいというふうに思います。

Q:ほかの調査中のところは結構なんですけど、常陸大宮市のこれまでの経緯については。

A:どこまでお話しできるかは、ご質問が今あったので、それは検討したいと思いますが。それから最後に、NUMOや行政から説明というのは、これはもうご理解いただいていると思いますけど、我々からすれば、もうお願いをする立場でありますので、個々の相手の市町村ごとにどういうお願いをすれば少しでも前に進むのでしょうかということを慎重に聞き取る中で、今おっしゃったようなNUMOからの説明が聞きたいとか、行政が説明に来てほしいとか、そういうことがあれば、我々はどういうふうにお答えするのが正しいか一生懸命考えていくということであって、大体過去にも複数回やってきているので、一応パターンのようなものは出来上がってきつつあると思いますけど、ただ、それと違うご要望が出たときにお答えしないということではなくて、基本的に我々はとにかくお願いを聞いていただけるように少しでも早く、少しでも深くご理解いただけるように、ご要望が出てきたら、それは真摯に検討させていただくということだと思います。

以上

最終更新日:2026年9月8日