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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2026年10月23日(金曜日)
8時35分~8時48分
於:衆議院分館2階エレベーター前

冒頭発言

ホワイトハッカーチームの立ち上げ

はじめに私から1点申し上げます。最近の不正アクセス事案においては、攻撃者がAIを用い、幅広く脆弱性を探索している可能性があります。こうした攻撃に対しては、防御側もAIを活用し、先手先手で対処をしていく必要があります。先日取りまとめられた自民党の提言においても、AIを活用したセキュリティ強化に言及されています。そもそも防御というものは構造的に攻撃に対して後手に回ります。防御というのは攻撃を想定したものなので、後手に回るということが1点目、それから攻撃は一点突破で一つ穴を見つければそれで成功するわけですけれども、防御は全面的に行う必要があります。また、攻撃は常に想定外を突いてくるといった有識者の指摘もあります。端的に言えば防御は攻撃に対して構造的な弱みを抱えているということであります。このため、発想を転換して、攻撃者の視点に立って考えることも重要だという考え方で、高性能AIを防御側にも活用し、模擬的な攻撃でシステムの弱点を確かめる試験、いわゆるペネトレーションテスト、これを徹底的に行うということをやるしかないということであります。この実現に向けて、攻撃者以上の攻撃を行い、という基本的にはそういう発想でいきたいのですが、攻撃者以上の攻撃を行い、システムの脆弱性を見つけるトップガン人材、つまりホワイトハッカーではなくオフホワイトハッカーという言い方が最近あるようでありますけれども、攻撃のことも念頭に置きながら全体としての防御を成功させる人材をオフホワイトハッカーと言っていいと思いますが、そういう方たちを集めて、人材の信頼性の確保にも配慮しながら、チームを立ち上げるよう指示をしたところです。具体的には、来月中に、独立行政法人情報処理推進機構にチームを立ち上げます。経済産業省としては、こうした政策を講じることで、産業界のセキュリティ対策を一層強化してまいりたいと考えております。

質疑応答

PHPの脆弱性

Q:21日夜に公表されたプログラミング言語、PHPの脆弱性発見に関して伺います。本件に関しては、アメリカのOpenAIやグーグル傘下のセキュリティ企業などが最先端のAIを使い長年見過ごされてきた脆弱性を発見したものですが、今後も最先端のAIの活用で不安とされてきたシステムの脆弱性の発見が期待される一方で、最先端のAIを悪用した脆弱性を突いた不正アクセスやサイバー攻撃を受ける可能性が指摘されています。今冒頭発言がありましたIPAを所管する経産省として本件についての受け止めと関係省庁や官民と連携して、いかにこうしたリスクを低減させていくお考えか、大臣の現時点での見解をお聞かせください。以上です。

A:10月21日の水曜日、プログラミング言語「PHP」の脆弱性及びそれに対応する更新プログラムが公開されたと承知しております。PHPは多くのウェブサイトで利用されており、影響が広範囲に及ぶ可能性があるため、迅速に対応すべき事項と受け止めています。このため、被害リスクを低減するため、国家サイバー統括室(NCO)とも連携し、昨日22日木曜日、当省所管の約1,000の業界団体等を通じ幅広く注意喚起を行ったところであります。また、情報処理推進機構(IPA)のホームページにおいて、速やかな更新プログラムの適用を促す注意喚起も実施したところです。冒頭申し上げたとおり、高性能AIを防御側にも活用したペネトレーションテストを行うべく、来月中に、IPAにホワイトハッカーチームを立ち上げる予定としております。今後とも、事業者の皆様に対して着実な対応の実施を働きかけてまいりたいと考えております。

PHPの脆弱性、電気自動車の購入補助金

Q:2点伺います。1点目はプログラミング言語のPHPで重大な欠陥が見つかった問題について、経済産業省の一部システムや所管団体のホームページが停止するなど影響が出ていると思いますが、把握している状況と影響について教えてください。また、昨今企業などへのサイバー攻撃やそれに伴う情報流出事案が多発しています。中小企業を端緒にしたサプライチェーン全体への被害拡大が懸念されますが、把握している状況と中小企業のサイバー防御対策を今後どのように進めていくのかお聞かせください。
2点目はEV補助金の減額措置について伺います。経済産業省は21日、EV補助金を2027年1月以降は6から8割減額する措置を発表しました。この減額措置の狙いと来年度の予算措置を見込んだ対応になるかお聞かせください。また、最新の補助金予算の残高を教えてください。以上です。

A:まず、10月21日水曜日、プログラミング言語「PHP」の脆弱性及びそれに対応する更新プログラムが公開されたと承知しております。経済産業省所管の団体・法人については昨晩0時30分時点において、株式会社日本貿易保険、それから高圧ガス保安協会及び名古屋中小企業投資育成株式会社のホームページが「メンテナンス中」との表記となっていることは把握しており、詳細な状況を確認しているところであります。また、サプライチェーン全体を狙うため、セキュリティ対策が十分でない中小企業を起点とする攻撃も脅威となっているものと認識しています。このため、専門知識や資金が必ずしも十分ではない中小企業のサイバー対策を支援するため、例えば、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の導入経費を「デジタル化・AI導入補助金」の対象としているほか、来年3月からは、「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」の運用を開始いたします。こうした施策を通じて、サイバー対策の着実な実施に向けた支援を進めてまいりたいと考えております。
それから、電気自動車の購入補助金、これについては基本的な考え方としては政策目的があり、EVの普及促進を進めるという政策目的であります。なので、普及状況に応じて補助額が徐々に減っていくというのが基本的なベースの想定だというふうに思いますが、今のところ我々の考え方としては、既に打ち出している補助金について予算額に達し次第受付を終了するということを公表していたところなので、それに沿ってやっていきたいと。ただ丸々打ち切ってやめてしまうのか、予算を確保して今後とも一定の額徐々に政策が浸透するに従って補助額は下がっていくかもしれませんが、そういう方向でやっていきたいというふうに考えております。大体そういうことで案内していると思いますが、年内にそういう意味では今用意している予算というのが枯渇してくるということを想定しているところでございます。

レアアースのイットリウムの供給

Q:重要鉱物について伺います。レアアースのイットリウムの供給が尽きるまで日本国内で数か月の状況にあるという一部報道がございました。中国の方針転換や追加備蓄等がなければ早ければ年内にも不足が生じる可能性があるとの内容ですが、昨日官房長官がお答えになっておられましたが、経済産業大臣としての認識を伺います。また、レアアース等に関わる中国の輸出規制による足元での日本企業への影響や懸念について最新の状況を教えてください。

A:個別の報道内容について逐一コメントすることは差し控えますが、数か月のうちに我が国全体でイットリウムが不足をするといった事実関係にはありません。イットリウムを含むレアアースは、自動車や半導体といった幅広い産業を支える重要な原料であります。その安定供給の確保は、我が国の企業活動、あるいは経済安全保障の観点から重要な課題であると認識をしています。中国によるレアアースを含む重要鉱物の輸出管理は、我が国を含むグローバルな産業に大変大きな影響を与えており、これまでも中国への申入れを行うとともに米国をはじめとする同志国と緊密に連携し、リサイクルを含む供給源の多角化を含め、強靱なサプライチェーンの構築に向けた施策に取り組んでいるところでございます。引き続き、中国による重要鉱物の輸出管理の動向等が、我が国企業や産業に与える影響について注視し、適切な対応を行ってまいりたいと考えています。

電気・ガス料金支援

Q:冬の電気・ガス補助についての報道がありましたが、改めて大臣の認識をお願いします。

A:ご指摘のように、冬場は暖房の需要が高まり電気・ガスの使用量が増加する傾向にあると認識しています。今後の電気・ガス料金支援については、国民の皆様の暮らしや経済活動に影響が生じないように、中東情勢などの影響を受ける原油やLNG価格の動向、また、それらエネルギー価格の変動が電気・ガス料金に与える影響を注視した上で、予備費の活用も含め、必要なときにはタイミングを逸することなく、適切に対応してまいりたいと考えております。

高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定の文献調査

Q:今朝一部報道で、宮崎県串間市で高レベル放射性廃棄物の文献調査の候補地として串間市が挙がっているという報道がありました。現状の事実関係と経済産業省としての認識をお伺いできればと思います。

A:報道は承知しておりますが、資源エネルギー庁では国のエネルギー政策や最終処分の必要性についてご理解をいただくべく、広く全国で理解活動を行っているところであり、特定の地域に関する報道の一つ一つについてコメントすることは差し控えたいと思っています。その上で高レベル放射性廃棄物の最終処分は必ず解決しなければならない国家的課題でございます。引き続き文献調査地区の拡大に向けて、国が前面に立って取り組んでまいりたいと考えております。

企業に対する不正アクセス

Q:不正アクセスについてお伺いいたします。先々週、経済産業省は企業に対して不正アクセス、情報漏洩などの被害が発生した場合は速やかに情報提供するよう要請されていました。今回の要請を受けて企業からどのような情報が寄せられているのでしょうか、また寄せられた情報から不正アクセスの手口だったり被害の傾向などがまた特徴が見えてくるのであればお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

A:10月9日金曜日の周知文においても、サイバー攻撃による被害発生時の情報提供を依頼しているところ、経済産業省においては、事業者からの情報提供やヒアリングを通じ、攻撃の手法や脆弱性に関する情報を含め、被害状況の把握に取り組んでおり、国家サイバー統括室(NCO)に情報を集約しているところであります。一般論としてですが、攻撃の手法や主体に関する詳細な情報については、更なる攻撃につながるおそれがあるため、いただいたご質問に対する回答は控えたいと思います。その上で、AIを用いた攻撃には、防御側もAIを活用し、先手先手で対応していくことが不可欠であります。このため、冒頭申し上げたとおり、高性能AIを防御側にも活用した、それも防御、防御というのではなくて、むしろ攻撃する頭でしっかりペネトレーションテストを行って穴を塞いでいくと。早期に、悪いと思った主体よりも先に発見してパッチを貼っていくといいますか、セキュリティボールを閉じていくというようなことをできる、そういう取組として、来月中にIPAにホワイトハッカーチームを立ち上げることとしています。引き続き、国家サイバー統括室とも緊密に連携し、事業者に対して適切かつ迅速な対応を促してまいりたいと考えています。

以上

最終更新日:2026年10月23日