2026年10月20日(火曜日)
17時59分~18時11分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
AX社会実装関係府省庁連絡会議の開催
はじめに私から1点申し上げます。明日10月21日水曜日、AX社会実装関係府省庁連絡会議を開催いたします。先日10月1日の木曜日の日本成長戦略会議において総理からご指示がございました「AIの社会実装を加速するためのアクションプラン」について、議論を行う予定としております。今般の内閣改造で、9月17日木曜日でしたが、私は新たに、AX社会実装担当を拝命いたしました。総理からは、「AI・デジタル改革推進担当大臣をはじめ関係大臣と協力して、医療・介護、運輸、そして建設などの分野におけるAIの活用を加速させるとともに、中小企業、それから小規模事業者のAI普及を推進し、AXの社会実装を強力に進める」よう、ご指示を頂いたところであります。我が国の成長戦略を進めていくにあたり、あらゆる産業分野のAXが肝であり、AIが社会経済のメタレイヤーになる、基盤になるということですが、それを前提とした政策立案と実行が求められております。「ビッグデータ×AI」の時代において、我が国の勝ち筋は、端的に言えば、超高齢社会の災害大国であるということです。我が国の特徴あるビッグデータを収集し、最大限活用することがビッグデータ×AIの時代の勝ち筋ということであります。高齢者が多い、災害が多い、そういうところから、介護・ヘルスケアとか、災害対応とか、そういうのに関するデータは、どこの国よりも豊富にある。それを活用してAIの勝ち筋を見つけていく、あるいは世界有数の製造業の現場がこの国にはあります。また、世界で唯一の廃炉の現場もあります。ということで、世界的にユニークで、価値の大きい現場のビッグデータを活用して、AIの勝ち筋を追求していく。その追求する分野とまさにぴったりするのがフィジカルAIの分野ですね。AIが現実社会を認識したうえで物理的タスクをこなすというのは、例えば廃炉の現場で線量の高い水の中をつたって、私は蛇型ロボットと言っていましたが、今はアーム型のロボットでやっていますけれども、デブリを取ってくる、そういったようなことを実践していく中では、これ当然ながらフィジカルAIの活用といいますか、本当にその活用部分が大きいということになります。こうしたデータを活用し、高齢化や災害対応、廃炉といった世界共通の課題解決に貢献をして、「ピンチをチャンスに」変えていくことが重要であります。特に今の、例えば廃炉の現場へのフィジカルAIの導入、それでまさに福島を我が国のAIトランスフォーメーションの始まりの場所にすると。繰り返しますが、福島を我が国のAIトランスフォーメーションの始まりの場所にするということをやっていきたいと思っています。これはもう本当に世界共通の課題解決にあれするのは、あってはならないことですけれども、これだけの原発が世界中にあれば、今後も原発事故がないとは言えないわけでありまして、そういう現場で生身の人間が活躍できないところでしっかり動くようなロボット、動くようなセンサー、カメラ、そういうものをきちんと整えることができれば、それはもう世界共通の課題解決にものすごく資するということだと思います。幅広いデータが基盤につながり、様々な分野で活用できるフィジカルAIを構築し、それぞれの現場のAXを下支えしてまいります。こうしたフィジカルAIのエコシステムを世界に先駆けて確立することを目指してまいります。一方、医療・介護、運輸、建設などの人手不足分野では、既存のAIを活用して、これもAIはデータを入手できるようになってから進化が垂直に立ってきますので、「狭く・小さく・早く」社会実装を進めるということが重要だということも今、私から経産省の職員にも呼び掛けて、「狭く・小さく・早く」社会実装を進める。フィジカルAIが実際実装されれば、データが集まり始めれば、繰り返しになりますけれども、AIの進化が垂直に立ってくるということなので、そのフィジカルAIの確立と人手不足分野を中心とするAXの早期社会実装を両輪で進めていきたいと思っています。また、AXの進展は、地域に根ざし、現場現業型でスピード感のある中小企業にとって、人手不足を乗り越え、生産性を一気に向上させて、大企業を一気に追い抜く、「リープフロッグ」ですね、カエル飛びのチャンスとなり得るもので、中小企業の稼ぐ力の強化と賃上げの好循環に今総力を挙げております我が経済産業省としては、これも本当に大事な、あるいは楽しみな部分でありまして、地方の中小企業のAXを推進してまいります。こうした課題感の下、AX社会実装のボトルネックや必要な取組について関係府省庁と議論を進めてまいりたいと考えております。
質疑応答
EUによる欧州製EVの優遇策
Q:欧州の電気自動車の優遇措置案についてお尋ねします。フランス・ドイツの両政府は、EUが検討する欧州製の電気自動車の優遇策について、日本製などを除外することで合意しました。欧州議会やEU加盟国全体での審議は続いていますが、除外されれば日本車のメーカーには販売面で大きく影響することが予想されます。経済産業省としてどのように対応していくか、方針をお願いします。
A:報道については承知しておりますが、現時点ではEU加盟国間で審議中の法案に関するものと理解しておりまして、現時点でコメントすることは差し控えたいと思います。いずれにしても、政府としては、我が国企業が不利益を被ることのないように、あらゆるレベルでEU側へ懸念を伝達し、日本産の製品はEU製と同等とみなすようにEU側に強く働き掛けますし、EU側の適切な対応を求めてまいりたいと考えております。
ラピダスへの出資
Q:ラピダスについて1点聞かせていただきます。昨日19日の財政制度等審議会で、経済産業省の方からラピダスに関して27年度から29年度の間に計4,000億円の産業投資を求める旨説明がありました。27年度には生産設備などの現物出資も控えておりますが、追加出資が必要と判断した理由を教えてください。また、実際に出資が実現すればNEDOの委託事業の終了後にも出資による支援が継続する形になりますが、政府による出資という形での支援というのはどのぐらいの時期まで必要とお考えでしょうか。
A:昨日19日の月曜日に、財務省の財政制度等審議会の財政投融資分科会において、IPAを通じたラピダスへの出資について議論が行われたものと承知しています。その場で説明を申し上げたのは、2027年から2029年までの3年間で4,000億だったかな、ということが予算要求中であるというご説明をしたんだと思います。そういうプランの下での予算要求について説明をしたということであります。経済産業省としては、民間の融資を呼び込むために、来年度、それからそれ以降もそうですが、ラピダスへの産業投資を要求しているところでありますが、当該分科会でのご指摘も踏まえ、今後とも財政当局と必要な調整を進めていくということになります。ラピダス・プロジェクトは、政府が進める成長投資の要となるものであります。総理が掲げられた17分野ですね。その中のある意味、AI・半導体は筆頭に来る部分であると思いますので、国益の観点から必ず成功させなければならない国家的プロジェクトであり、引き続き、本プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでまいりたいと思いますし、私の感覚からすると、AIの時代に勝ち負けは半導体の製造能力と電力の供給能力で決まるというようなことが言われる中で、我が国は半導体製造について最先端のものまでしっかり製造できる能力を身につけて国の将来を切り開いていくということを考えているわけでありますから、しかも、そういった中で各国が相当の国費、公的なお金を投じて産業政策をかなり精力的に展開し、その競争の中で勝ち抜いていくというような方向も今取っていますので、我が国もこのラピダスについて言えば、国民の税金を投入する以上、責任持って必ず成功させるという思いで、今のところ先ほど申し上げた2027年以降の出資とかそういうものも考えているということでご理解をいただければと思います。
EUによる欧州製EVの優遇策
Q:冒頭の幹事社さんの質問に関連して、EU加盟国間でまだ審議中だと思いますけれども、仮にEVの優遇策で日本製を対象外とする最終決定がされた場合、国内の車メーカーへの影響はどの程度になるとお考えか、現状のご認識を教えていただけますでしょうか。
A:欧州も我が国の自動車産業にとっては重要な市場でありますので、審議中の法案ではありますけれども、今の仮定のご質問について申し上げれば、影響が小さいとはとても言えないですね。私どもも当然のことながら、EUからいろんな説明を受けながら、何でこういうことをするんだということについて説明を求め、基本、結論において、その説明を受けた上で、じゃ、我が国には影響が出ないように、端的に言えばEU製と同等とみなすようにしてくれということを強く申し入れている過程でありますので、最終的に結果が出るまではちょっと見届けたいということを思うのと、目的と手段をうまくちゃんと整合させてやってほしいと。彼らから説明を聞くのは、必ず言われることというのは、彼らがやろうとしていることは、日本を念頭に置いて何かしら日本を排除しようとか、そういうことではないのだという説明は必ずあるわけですけれども、じゃ、ちょっとなんか目的と手段が合っていないなというのは正直なところでありまして、そういうことも含めて、今後ともあらゆるチャネルで働き掛けは続けますし、そしてまた、今後の推移をしっかり注視し、結論が出れば、出た結論に応じてしっかりと働き掛けをしていきたいというふうに思います。
以上
最終更新日:2026年10月21日