第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営方針

当社は「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。その積み重ねで世界をよりよくする。」をパーパス(存在意義)と定義しております。

上記パーパスの下、当社は「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」をミッション(果たすべき使命)として、「人と人」、「人と体験」とがリアルで出会う過程における障壁に着目し、それらを解消するサービスを提供することを目指します。そして、「世界一のモビリティプラットフォームをつくる。」をビジョン(中長期で目指す姿)に掲げ事業を運営しております。

また、これらを実現するために本質的に持つべき価値観として以下のバリューとホスピタリティ・カルチャーを定め、社員に展開しております。

 

≪バリュー / Value≫


≪ホスピタリティ・カルチャー / Foundations≫


 

(2) 経営環境

当社が主たる事業を展開する駐車場プラットフォーム市場においては、モビリティ社会の変革や都市インフラの効率化、並びにデジタル技術の進展を背景に、大きな構造転換期を迎えております。

行政動向におきましては、令和7年5月に国土交通省より「持続可能なまちづくりと都市交通の実現に向けた駐車場マネジメントの推進のためのガイドライン」が公表される等、従来の画一的な駐車場供給(「受け身の駐車場政策」)から、都市政策や交通需要と連携した積極的な管理(「攻めの駐車場政策」)への転換が国や地方公共団体において本格化しております。中心市街地への過度な車両流入による渋滞の発生、車種ごとの需給の不一致、あるいは都市部における低未利用土地(青空駐車場等)の発生といった外部不経済を解消するため、統合的な政策に基づいて駐車スペースの量や配置を適切に把握し、効率的にマネジメントしていく必要性が急速に高まっております。

このような環境下において、当社のコアターゲットとなる駐車場市場については、駐車場法等の基準に基づき届出が義務づけられる駐車場の整備状況が把握可能である一方、コインパーキングや月極駐車場の多くは届出制ではないため、その実態を正確に把握することが困難であります。総務省統計局「2024年全国家計構造調査」によれば、全国の1世帯当たりの1ヶ月間の駐車場借料の平均支出額は1,558円であり、年間では18,696円となります。(注1)また、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によると、2025年1月1日時点の全国の世帯数は約6,129万世帯となっております。(注2)これらを前提とした場合、1年間の世帯当たり支出額に世帯数を乗じた駐車場市場の規模はおよそ1兆1,458億円と推計いたします。このように、届出制駐車場と非届出制駐車場の双方を含む広範な市場が想定されるものの、正確な統計情報が存在しないことから、当社としては上記推計値を基礎データの一つとして位置づけております。

さらに当社では、提供するサービスの潜在的な成長性を把握するため、アプローチ可能な駐車場台数をベースとしたターゲット市場の分析を行っております。具体的には、市場全体の総量を示す「最大獲得可能市場(TAM)」、当社がアプローチ可能な「有効獲得可能市場(SAM)」、及び直近で獲得を目指す「現実獲得可能市場(SOM)」の3つの段階に分類して算出しております。

第一に、最大獲得可能市場(TAM)となる全国の潜在的な駐車場台数は、7,264万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注3)が3,225万台以上、コインパーキング(注4)が約164万台であります。これらに加え、個人宅の一軒家や店舗等に付随する全国の遊休地(注5)が約3,875万台含まれており、これが当社の最も広範な潜在市場となります。

第二に、有効獲得可能市場(SAM)として、東京都及び政令指定都市のある都道府県(地方都市)の駐車場台数は、2,273万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注6)が2,163万台以上、コインパーキング(注4)が約110万台となっております。

第三に、現実獲得可能市場(SOM)として、当社が主要なターゲットとしている3大都市圏(東京都、大阪府、愛知県)の駐車場台数は、1,239万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注6)が1,179万台以上、コインパーキング(注4)が約60万台であります。


 

国や地方公共団体、民間事業者が一体となって駐車スペースの効率的な適正化を目指すこの公的トレンドは、社会に眠るあらゆる「駐車可能なスペース」を供給源としてマッチングを行う当社のビジネスモデルにとって極めて強い追い風となっております。当社は、この広大な潜在市場に対してデジタル技術を導入し、需給不一致の解消と資産価値の最大化を図ることで、社会的課題の解決と持続的な事業成長を同時に推し進めていく環境にあると認識しております。

(注1)総務省統計局「令和6年全国家計構造調査(全国 家計収支に関する結果[家計総合集計])」

(注2)総務省自治行政局(住民基本台帳関係)「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和7年1月1日現在)資料2」

(注3)全国の自家用車保有台数61,839,584台(国土交通省自動車保有車両数2026年3月)に推定して算出した一軒家の駐車場台数を減算して算出

(注4)一時利用有料駐車場(コインパーキング)市場に関する実態分析調査・2021年 

(注5)一軒家の駐車場数は一戸建てに住居する世帯数2,932万世帯(住宅・土地統計調査 令和5年)に世帯当たり自家用車保有台数1.009台(一般社団法人日本自動車工業会公表令和7年度乗用車市場動向調査)を乗算して算出。店舗の駐車場数はショッピングセンターの総数3,013店舗(SC白書2025)にイオンモールの店舗当たり駐車場台数の平均3,045台(イオンモール株式会社 サステナビリティデータブック 2024)を乗算して算出。

(注6)月極駐車場とコインパーキングの都道府県ごとの分布は同様であると仮定し、全国の月極駐車場台数をコインパーキング台数で案分して算出

 

 

(3) 社会課題の解決と当社の事業機会

上記のような市場環境に加え、当社事業の背景には以下のような社会的課題が存在しております。これらの解決に対する社会的要請の高まりが、当社のビジネスモデルに対する需要を押し上げ、事業成長を牽引する強力な経営環境となっております。

① 一時貸し駐車場の構造的不足と需給の不一致

国内においては、一時利用の駐車需要に対して供給が十分とはいい難い構造的な課題が継続している実態があります。国土交通省の統計資料(注)によれば、2024年度末の自動車保有台数は約7,861万台であるのに対し、月極や住宅の車庫を除いた駐車場は約568万台にとどまり、自動車1万台当たりの駐車台数は2014年度末の631.9台から2024年度末には723.5台へと増加傾向にあるものの、一時貸し駐車場の慢性的な不足は依然として解消されたとはいえない状況にあります。さらに、駐車需要は地域や時間帯、車種、利用目的によって偏り(需給の不一致)がある一方で、個人宅の空きスペースや未活用の月極駐車場等の潜在的な遊休資産をコインパーキングとして運用するには、高額な初期投資や設備要件といったハードルが存在し、容易に供給拡大へ結び付けることは困難であると考えております。

 

 

 

(台数)

 

2024年度末(A)

2014年度末(B)

A/B

都市計画駐車場

105,639台

119,943台

0.88

届出駐車場

1,998,531台

1,699,455台

1.18

附置義務駐車施設

3,583,037台

3,068,737台

1.17

路上駐車場

533台

606台

0.88

  計

5,687,740台

4,888,741台

1.16

自動車保有台数

78,619,088台

77,080,842台

1.02

自動車1万台当たり駐車台数

723.5台

631.9台

1.14

 

都市計画駐車場:

都市計画上必要な位置に適正な規模で永続的に確保され、またその対象とする駐車

需要が広く一般公共の用に供すべき基幹的なものであり、都市計画に定められた路

外駐車場をいう。

届出駐車場:

都市計画区域内で自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場

を設置し、その利用について駐車料金を徴収する駐車場。

附置義務駐車施設:

地方公共団体の条例により、一定規模以上の建築物の新増設の際に義務として整備

された駐車場施設。

 


 

(注)国土交通省『自動車駐車場年報 令和6年度版(2024年)』

 

② 路上駐車及び「うろつき交通」による社会的損失

この一時貸し駐車場の構造的不足と需給の不一致という構造問題は、都市交通において深刻な社会的損失を引き起こしております。警察庁交通局の資料(注)によれば、東京都23区内における瞬間路上駐車台数は約43,908台にのぼり、これらは幹線道路等における交通渋滞の要因となるほか、駐車車両に起因する交通事故等の深刻な原因となり得ることから、都市交通の円滑化と安全性確保の観点で重大な課題となっております。また、必要な場所に駐車場が不足しているため、駐車場を探すために車両が周辺を走行する「うろつき交通」が発生し、中心市街地での渋滞悪化や歩行者の安全性低下を招いております。こうした状況が進行すると、土地の低未利用地化や配置の適正化が妨げられ、中心市街地の魅力や回遊性の低下を招き、まちの活力をさらに下げるといった負の循環が生じるおそれがあります。

(注)警察庁交通局『令和6年11月 駐車対策の現状』

 

③ 地域の伝統イベントにおける交通課題と持続可能性

さらに、これら日常的な駐車場不足の課題は、地域の伝統的な花火大会や大規模なお祭り、プロスポーツの試合等のイベント開催時において、特定の地域及び時間帯に爆発的な駐車需要が集中するという極端な形で顕在化いたします。

十分な駐車インフラが確保されていない地域イベントにおいては、会場周辺への車両集中により激しい交通渋滞や広範な違法路上駐車が誘発され、救急車両の通行妨害や地域住民の安全性の低下といった深刻な「交通課題」が発生しております。

加えて、昨今の人件費や原材料費、警備・安全対策費用等の高騰はイベント主催者側の財政を著しく逼迫させており、「交通障壁の解消コスト」と「運営費用の増大」の二重の負担により、地域の貴重な伝統文化やコミュニティイベント、観光資源そのものが資金不足によって開催・継続が困難になるという、持続可能性(サステナビリティ)に関わる重大な社会課題が近年深刻化しております。

 

 

④ 「アキッパ」による課題解決アプローチと事業機会

当社は、単に駐車場の新設を図るという従来型の発想ではなく、既存の不動産ストックを有効活用しつつ、一時貸し駐車場不足の緩和に資する手段を整備することが現実的かつ有効な方向性であると認識しております。当社が展開する本サービスは、駐車環境のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、前述した社会課題に対する具体的なソリューションを提供し、同時に当社の成長基盤を確立しております。

ⅰ 駐車スペースの供給拡大とマッチング最適化

従来のコインパーキングで課題となっていた高額な初期投資や設備要件といったハードルを、本サービスが解消しております。月極駐車場の空き区画や個人宅の駐車場など、これまで活用されていなかった未活用の月極駐車場等の遊休資産を、設備投資不要かつ完全成果報酬型で一時貸し駐車場として提供できる仕組みを構築いたしました。これにより、市場における駐車場不足を緩和するとともに、デジタル技術を用いて需要と供給を最適に結びつけております。

ⅱ 路上駐車及び「うろつき交通」の解消

一時貸し駐車場の探索走行に起因する「うろつき交通」や違法路上駐車に対し、スマートフォンアプリ等を通じた事前検索・事前予約・オンライン決済の一元的体験を提供することで解決を図っております。ユーザーは現地到着前に駐車場を確保できるため、駐車場を探し回る無駄な走行や「満車による不確実性」から解放されます。これにより、中心市街地における交通渋滞や交通事故リスクを低減し、排気ガスの削減や歩行者の安全性向上といった都市交通全体の円滑化に寄与しております。

ⅲ 駐車場予約と収益分配モデルによるイベント周辺の渋滞緩和と運営財源の創出による地方創生

大規模イベント等において、会場周辺の公式駐車場や未活用スペースを事前予約制・有料化する仕組みを提供しております。来場者車両による渋滞や違法路上駐車を抑制して円滑なイベント運営を可能にすると同時に、駐車場運営から得られる収益の一部を報酬としてイベント主催者へ還元いたします。これにより、警備費増や物価高騰等に直面する主催者の財源不足を直接補い、地域の伝統イベントの継続的な開催と持続可能性の確保を実現しております。

上記3つの課題解決を通じて、ユーザー、オーナー、イベント主催者、並びに地域社会の各ステークホルダーから支持を獲得し、国内最大級の会員基盤と掲載駐車場数を確立しております。この強力な事業基盤から生み出される収益をプロダクトや管理システムの進化へ継続的に再投資することで、社会インフラとしてのプラットフォーム価値を自律的に向上させる持続的な成長サイクルを確立しております。

 


 

 

(4) 経営戦略等

当社は、パーパスである「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。」を事業活動の根幹に据え、人々がリアルに移動し、集い、出会う場面における課題に向き合い続けております。そのうえで、ミッションである「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」を着実に果たしていくため、駐車場を起点としたモビリティ領域において事業を展開しております。また、当社は中長期で目指す姿として「世界一のモビリティプラットフォームをつくる」というビジョンを掲げており、その実現に向けた第一歩としてブランドミッションに掲げる「どこでもスマート駐車場」の社会的な実装を推進しております。

当社の成長戦略は、以下の3段階が段階的かつ相互に連動する構造として設計しております。第一に、既存の予約利用を前提とする駐車場マーケットプレイスにおけるネットワーク効果を最大化し、収益基盤を確立いたします。第二に、駐車場予約を起点として、月極駐車場、EV充電関連サービスその他周辺領域へのマルチプロダクト展開及びM&Aを通じて市場カバレッジを拡大いたします。第三に、AI技術を活用した事業基盤の高度化とEV充電・自動運転時代を見据えたインフラ価値の拡張により、次世代のモビリティインフラへの発展を目指してまいります。なお、これらの各段階は順次完了するものではなく、重なり合いながら並行して推進し、相互に強化し合う構造としております。各段階の取り組みが次の成長の土台となることで、累積的な競争優位を構築してまいります。

加えて、国土交通省は令和7年5月に「持続可能なまちづくりと都市交通の実現に向けた駐車場マネジメントの推進のためのガイドライン」を取りまとめ、駐車場政策を従来の需要充足型から、DX推進・モビリティハブ化・需給マネジメント・脱炭素対応・自動運転対応を包含する政策体系へ転換する方針を明示しております。当社が推進する事業戦略の方向性は、こうした政策動向と軌を一にするものと認識しており、この環境変化を積極的に活かしてまいります。

これらを踏まえた具体的な経営戦略は、以下のとおりであります。

 

① 既存事業のさらなる拡大と収益構造の進化(戦略的な駐車場拡大)

当社が展開する駐車場マーケットプレイスは、駐車場の供給が増加することで利用者の利便性が高まり、利用者の増加がさらに新たな駐車場の参画を促すという、ネットワーク効果を伴う成長構造を有しております。この自己強化的な成長循環を安定的かつ継続的に機能させることが、既存事業の成長における中核であると認識しております。当社は、この成長循環を加速させるため、当社及びパートナーからなる営業組織による戦略的な駐車場開拓と、オーナーが自律的に駐車場を掲載する「オーナーモード」の普及を両輪として、駐車場の供給数を拡大いたします。また、不動産管理会社等とのシステム面の連携や、新規ユーザー獲得の接点となる大規模イベントでの受託推進を通じて、利用者の利便性向上とさらなる供給増を促してまいります。


 

 

② ユースケース拡張による利便性の向上と対象市場の拡大

人々の移動シーンにおいては、事前予約のみでは対応しきれない、多種多様な駐車ニーズが存在しております。そのため、予約制に加え、マンスリー単位でのサブスクリプション型(定額制)等や、予約を必要としない即時利用(ドロップイン)等、多様な駐車ニーズに対応する複数のサービス形態を組み合わせた事業展開を推進いたします。

特に事前予約を必要としないドロップインについては、現地にスマートロック等のハードウェア機器を設置し、当社のソフトウェアと連携させた「スマート駐車場」として展開いたします。これにより、予約を必要としない現地での突発的な利用ニーズ(コインパーキング等で発生する需要領域等)にも対応が可能となり、アプリを通じた「事前の計画的需要」から「突発的な現地需要」へと対象市場を大きく拡張いたします。現地でのキャッシュレス決済により集金業務を不要とする等、設備投資や運営コストを抑えたアセットライトかつ高ROIな展開が可能となり、後述するM&Aのロールアップ戦略の強力な基盤となります。あらゆる移動シーンを網羅することで、一人のユーザーに当社のサービスを長く・多く利用していただき、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の最大化を目指します。


 

③ テクノロジー・AIを駆使した進化

当社は、リアルなアセットとデジタルを融合させるテクノロジー開発力を強みとしており、事業規模の拡大にともない蓄積される膨大な利用データをAI技術によって分析・活用することが、需給マッチングの最適化と効率的なオペレーションを両立させる鍵であると考えております。このAI活用は、エンジニアリングにおける開発スピードの加速やプロダクト品質の向上にとどまらず、カスタマーサポートや営業支援、バックオフィスを含む全社的な業務プロセスの自動化・省力化にまで及び、積極的に社内導入することで事業規模の拡大に比例しないローコストな運営体制の構築を推進しております。また、蓄積されたデータに基づき、最適なレコメンドの提示や、ダイナミックプライシングの精度向上を通じて収益最大化の支援を目指します。このように、データとAIを事業基盤の核心に組み込み、継続的にアルゴリズムを深化させることで、ユーザー及びオーナーの利便性向上とプラットフォーム価値の自律的な向上を同時に実現する、持続可能な成長モデルを構築してまいります。


④ M&Aによる非連続成長

国内駐車場市場は数兆円規模を有しながらデジタル化が著しく遅れており、この構造的非効率が当社にとってのM&A機会を生み出しております。売り手側においては、中小コインパーキング事業者における後継者不在の加速、新紙幣対応の精算機更新やインボイス制度対応等に伴う設備投資負担の増大、さらには上場企業を中心としたノンコア事業整理の動き等が進行しており、譲渡ニーズは構造的に拡大していると分析しております。当社は、これらの機会を捉え、既存の駐車場運営事業者や不動産管理会社をターゲットとしたM&Aを積極的に検討してまいります。

買収した駐車場に対して、フラップレス化(車室を仕切る機器をなくす仕組み)やキャッシュレス決済、AIによる価格最適化等、当社のデジタル技術を導入し「スマート駐車場」化による駐車場のバリューアップを実現するロールアップ戦略を推進いたします。これにより、駐車場の利用形態の多様化に伴う稼働率の向上や運営コストの削減を短期間で目指します。その他、M&Aを活用しながら新規事業開発やビジネス連携を推進し、自社開発による内部成長とM&Aによる外部成長を組み合わせることで、スピード感をもって市場シェアの拡大を戦略的に推進してまいります。


 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社のミッション・ビジョンの実現及び継続的な企業価値向上を達成するために、売上高、売上総利益、予約数、利用UU(注1)、及び掲載駐車場数(注2)を利益経営上の重要な指標としております。

また、それらの拡大・向上のためには、ユーザーニーズを的確に捉えたプロダクトの開発とマーケティング、また利用ニーズの高い駐車場の獲得と最適なプライシングによる、需要と供給のマッチングの最大化が必要であります。それらの活動の検討及び達成状況を判断する上で、予約数(注3)及び掲載駐車場数が当社における事業の根幹であると考え、その推移を重要な指標として位置づけております。

 

第14期

(2022年度)

第15期

(2023年度)

第16期

(2024年度)

第17期

(2025年度)

第18期

(2026年度2Q)

売上高(千円)

2,081,784

2,618,924

3,191,177

3,828,291

1,915,622

売上総利益(千円)

995,300

1,271,708

1,592,247

1,928,149

1,000,446

予約(数)

2,051,613

2,553,318

3,084,796

3,508,174

1,820,002

利用UU(人)

552,703

711,841

863,423

993,264

606,928

掲載駐車場数(台)

35,601

39,692

47,843

55,020

58,870

 


(注1) 利用UUとは、各期に駐車場を利用し支払いを行ったユーザー数のうち、重複を除いた数をいう。

第14期から第17期は各事業年度の年間合計利用UU数を、第18期につきましては2026年1月から6月までの6ヶ月間における合計利用UU数を記載しております。

(注2) 第14期から第17期は各年度の12月度の掲載駐車場数を、第18期は6月度の掲載駐車場数を記載しております。

(注3)本サービスにおいて、対象期間内に予約が完了した予約のうち、キャンセルされた予約も含めて、予約完了日ごとに件数集計したもの

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 駐車ニーズを満たす駐車場の確保

当社プラットフォームに登録されている駐車場は全国各地に広がっており、現在も継続的に増加しております。一方で、人々の駐車ニーズは、イベントやコンサート、通勤・通学、旅行、ショッピング等多岐にわたり、利用される時間帯や場所も多様化しております。こうした多様なニーズに対し、当社は現状、駐車場の供給が十分に追いついていないエリアや時間帯があることが喫緊の課題であります。

「いつでも、どこでも駐車場が見つかる」というユーザーの期待に応えるため、引き続き、駐車場数の拡大に注力してまいります。

 

 

② 「駐車場は予約する」という文化の醸成と、サービス認知の向上

車での移動時に「駐車場を予約する」という行動様式は未だ発展途上であり、市場自体の社会的認知向上が課題です。当社はマーケットリーダーとして、この新しい行動様式や文化の醸成を牽引するとともに、当社サービスが第一想起されるポジショニングを確立してまいります。

自社による市場調査の結果、当社サービスは高い顧客満足度を得ている一方で認知度が低く、認知度拡大が直接的な利用者増加につながる大きな成長余地を有していると分析しております。今後は、投資対効果を厳格に管理しつつ、効果的なマーケティング施策を段階的に実行し、潜在顧客層の獲得とさらなる認知拡大を推進してまいります。

 

③ サービスの安全性・健全性、及びプラットフォームの安定性

Eコマースサービスやソーシャルメディア等の普及と、それに伴う不正利用の巧妙化の流れを受け、インターネット上のプラットフォームサービスの安全性維持に対する社会的要請は一層高まりを見せております。当社は、安心・安全な取引の場を提供するため、サービス及びプラットフォームそのものの安全性・健全性確保に向けて継続的に取り組んでまいります。

また、当社はインターネットを介したサービス提供を行っているため、そのシステムを安定的に稼働させることが重要になります。そのために、既存のプログラム等を最適にアップデートし続けるとともに、そのための人員確保、教育・研修等にも努めてまいります。

 

④ 優秀な人材の確保と組織体制の強化

当社の持続的な事業成長には、優秀な人材の確保と定着が重要な課題であると認識しております。特に、リアルな資産である駐車場を対象としつつ、テクノロジーを軸に事業を展開する当社においては、技術・プロダクト、営業、マーケティング等の各分野で高い専門性や企画力、戦略性を持つ人材の確保が不可欠であります。

採用競争が激化するなか、採用ブランディングの強化やリファーラル採用の推進等、当社のパーパス・ミッション・ビジョンに共感するタレントを惹きつけるとともに、多様な働き方を支援する人事制度のアップデートを継続いたします。個々の能力を最大化するタレントマネジメントを通じて、組織全体の生産性とエンゲージメントを向上させてまいります。

 

 

⑤ 生成AI等の新技術・データ活用による事業基盤の高度化

近年、生成AIをはじめとする新たな技術が急速に発展しており、これらをいかに活用するかが、企業競争力の維持・向上や他社との差別化において極めて重要な要素となっております。当社においても、これらの技術を自社の経営に適用し、業務の効率化や意思決定の高度化、サービスの質的向上に結び付けることが、今後の持続的成長を実現する上での重要な課題であると認識しております。一方、当社は、ユーザーの予約行動、駐車場の利用実績、時間帯別稼働率、エリア別需要傾向等、日々のサービス運用を通じて蓄積される多様なデータを保有しておりますが、これらの活用は限定的であります。

当社は、保有する多様なデータと生成AI技術の融合を競争優位の源泉と位置づけ、データ収集からAIによる解析、実業務への適用に至る「データ活用サイクル」を戦略的に構築してまいります。このサイクルの運用を通じて、サービス価値の最大化を図るとともに、テクノロジー駆動による持続可能な成長基盤を確立してまいります。

 

⑥ M&A推進体制の整備及び規律ある財務戦略の推進

今後の非連続的な成長を牽引するM&A戦略において確実な企業価値向上につなげるためには、実効性ある推進体制と財務マネジメントの確立が重要であると認識しております。具体的には、案件発掘から買収後の統合までを組織横断で迅速に推進できる組織体制を整備するとともに、グループガバナンスの強化を進めてまいります。また財務面においては、銀行借入等を活用しながら成長加速に向けて機動的な資金調達を行う一方で、持続的な成長を支える厳格な財務規律を厳守し、リスクの適切なコントロールを徹底してまいります。これら体制基盤の強化と規律ある財務戦略を一体として推進し、確実な外部成長の実現を図ってまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

当社は、会員の個人情報を多く預かっており、安心して当社サービスを利用いただくためにも、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社のパーパス(存在意義)は、「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの『こまった!』をなくす。その積み重ねで世界をよりよくする。」であります。私たちはこのパーパスの下、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

(2) ガバナンス

当社における、CorporateDivisionを主管部署としてサステナビリティ関連のリスク及び機会を把握・管理しております。主管部署は関連部門と連携してリスク及び機会の識別・評価を行い、その内容をリスク・コンプライアンス委員会へ報告しております。リスク・コンプライアンス委員会は当該内容について審議し、重要事項については取締役会へ報告しております。取締役会は報告を受け、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する方針及び対応状況を監督しております。

 

(3) リスク管理

当社は、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、CorporateDivisionを中心に関連部門と連携し、事業活動に与える影響の識別・分析を行っております。識別されたリスク及び機会については、事業への影響度及び発生可能性等を考慮して評価を行い、重要性の高い事項をリスク・コンプライアンス委員会において審議しております。

リスク・コンプライアンス委員会では、重要なリスクに対する対応方針及び管理状況の確認を行うとともに、新たな事業機会についても検討を行っております。審議結果のうち重要な事項については取締役会へ報告し、取締役会の監督の下で対応策の推進及び進捗管理を行っております。

 

(4) 人材に関する戦略

当社は、人的資本が経営戦略を確実に具現化するための「実行力」そのものであると定義しております。持続的な企業価値向上に向けて、当社のコア事業と密接に連動した組織能力へ最適な資本配分を行い、成長性・収益性・参入障壁を強化することを人的資本投資の基本思想としております。これら戦略を“実装”する組織能力への投資として、当社の事業計画や未来組織図の構想と連動した「動的人材ポートフォリオ」を策定し、事業フェーズに応じた人材投資ロードマップに基づき、必要とされるケイパビリティの獲得を段階的に推進しております。

これら成長エンジンの実行力を支える組織基盤(組織OS)においては 、性別、年齢、国籍、キャリア等の属性を問わず、多様な人材がその専門性や視点を活かせる環境整備を進めております。誰もが心理的安全性を確保した上で高い目標に挑戦でき、「社員の成長が会社の成長に直結する」という考えの下で自律的なキャリア形成を支援することが、組織能力の再現性を高める基盤になると考えております。

 

(5) 指標及び目標

多様な人材の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する指標、当該指標を用いた目標及び実績については、現時点において指標を定めていないため記載しておりませんが、投資対効果や組織の持続可能性を評価する軸として、採用の質、人員一人当たり売上総利益などの「生産性」、エンゲージメントスコア(eNPS)等の「組織健全性」を同時にモニタリングし 、強固な組織体制の構築に取り組んでいく予定です。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社の事業若しくは当社株式への投資判断に関連するリスクを完全に網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社の事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 自動車関連のシェアサービス市場について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境」に記載のとおり、当社は、全国の月極駐車場、コインパーキング、並びに一軒家や店舗等の遊休地を網羅する広大な潜在市場を対象に事業を展開しております。国土交通省のガイドラインに示される「駐車場マネジメントの適正化」の潮流は、当社のビジネスモデルにとって追い風であると認識しておりますが、以下の要因等によりこれら関連市場の環境が変化した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

i.行政方針及び技術革新の動向: 国土交通省のガイドラインに基づく「攻めの駐車場政策(駐車場マネジメント)」の地方公共団体における導入・推進の遅滞、プラットフォーム運営に関わるIoTやAI等の技術革新の遅れ、あるいは競合プラットフォームの台頭による競争激化等。

ii.駐車需要及び車両保有動向の変動: 若年層の車離れやカーシェアリングの普及等にともない、当社の市場規模(TAM)の算定前提である「全国の自家用車保有台数」や「世帯当たり普及台数」が想定を超えて減少した場合。また、景気後退やガソリン価格の高騰等により、ドライバーの外出及び駐車場への支出が抑制された場合。

iii.各種規制等の動向:制度上の各種規制や関連税制の強化、社会的な受容性の変化等により、個人及び法人オーナーによる遊休地の供給が停滞した場合、あるいは駐車場シェアに対する需要そのものが減退した場合。

 

② 競合他社の動向について

(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

現状の主な事業領域である駐車場予約サービス市場においては、複数の競合企業が存在するほか、市場の拡大にともない新規参入の可能性が常に存在しております。当該市場は、ユーザーの「停めたい場所に駐車場がある」という利便性と、オーナーの「安心して貸し出せる」という信頼が相互に作用するプラットフォームビジネスの特性を有しており、先行者によるネットワーク効果が極めて強力な参入障壁となる市場であります。

当社は、駐車場開拓を担う強力な「営業力」と、より良いプロダクトの開発を追求する「テクノロジー開発力」の双方のケイパビリティを組織内に有している点において、競合他社に対する独自性を有しております。この二つのケイパビリティが密接に連携することで、サービスの「規模(駐車場掲載数)」と「利便性(プロダクト品質)」を高い次元で両立させております。こうした当社のビジネスモデルを先行して切り拓き、市場を牽引してきたことで蓄積された運営ノウハウは、後発企業に対する強力な先行優位性として機能しております。実際、過去には豊富な資本力を有する複数の大企業が当市場へ参入した事例がありますが、当社は先行して構築した事業基盤を活かし、現在まで着実に事業を拡大しております。

しかしながら、他に優れたビジネスモデルや競争力のある条件でサービスを提供する競合会社が現れた場合等には、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然災害等の影響について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社では、有事に備えた危機管理体制の整備に努めておりますが、大地震、津波、暴風雨等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止や設備の損壊、電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合、また、テロリズム、戦争等の有事や未知の感染症の蔓延が生じた場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等により当社の事業・サービス提供に制限が生じる可能性があります。また、自然災害等による道路等の交通インフラの毀損による交通障害や、イベントの自粛等による駐車場需要の低下、広域にわたる駐車場の被害等が発生した場合、サービス提供へ支障が生じる可能性があり、ひいては当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ITの技術革新の影響について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

IT業界及びインターネットサービスの分野においては、技術革新が極めて速いペースで進展しており、新たな技術やサービスが絶えず誕生しております。特に、近年のAI技術の進化は顕著であり、膨大なデータに基づく予測モデルの発展や各種分析の精度向上、生成AIによるカスタマーサポートや社内業務の高度化や効率化等、画期的な技術革新が生じております。このような著しい技術革新を当社が有効に活用することができない場合、当社サービスの競争優位性や付加価値が損なわれ、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業に関するリスク

① サービスの健全性の維持について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社が展開するサービスは、取引の場であるプラットフォームを提供することをその基本的性質としております。 このため当社では、マーケットプレイスの健全性確保のため、利用規約における禁止事項の明記に加え、当社が能動的に健全性を阻害するリスクの兆候をモニタリングし、必要に応じて是正、排除等を図っております。具体的には、駐車場オーナーに対する本人確認や掲載情報の審査体制の運用とともに、各種基準やマニュアルの整備、社内外への関係法令等の周知・啓蒙を実施しております。さらに、取締役会やリスク・コンプライアンス委員会等を通じた健全性確保に向けた職務執行状況のモニタリング体制を構築しております。 しかしながら、当社のサービスが公序良俗に反する目的や法令違反行為に悪用されたり、不適切な掲載物件が混入したりするリスクを完全に排除することは困難であります。万が一これらの事態が発生し、当社がプラットフォーム提供者としての責任を問われた場合には、社会的信用の毀損やユーザーの減少等につながり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② パートナーに関するリスク

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の事業では、駐車場の新規開拓における営業力強化、並びに自社営業人員の増員にともない発生する人件費等の固定費を抑制し、新規獲得実績に応じた手数料(報酬)支払いに留めることによる「営業コストの変動費化」を図るため、パートナー制度(代理店制度)を設けております。これにより、外部の法人又は個人がパートナーとして駐車場の新規開拓を行っております。2025年度に新規に掲載された駐車場車室数のうち、パートナー経由での獲得が約16.0%であり、特に上位パートナー3社による獲得が約11.7%を占める等、特定のパートナーに対する依存度が高い状況にあります。

当社は、これら重要なパートナーに対して、定期的な情報交換や営業支援の強化を図る等、継続的かつ良好な関係の維持に努めております。しかしながら、何らかの理由で当該パートナーとの関係が悪化又は終了した場合、当社の営業力が低下するおそれがあります。結果として、駐車場シェアの低下や、競合他社へのノウハウ流出、あるいはパートナー自身が新たな競合として参入する等の事態につながる可能性があります。

また、当社はパートナーに対して、契約の締結やコンプライアンス研修の実施、営業ツールの提供等を通じて適切な統制を図っております。しかしながら、パートナーに対するモニタリングが不十分となり、パートナーが不祥事等を起こした場合には、当社の社会的信用や企業イメージが大きく毀損します。

これらの事象が顕在化した場合、ひいては当社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システムトラブルについて

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の事業は、全てインターネットを介して行われており、システム及びインターネット接続環境の安定的稼働は事業を行っていく上での前提となっております。当社は、サーバの不測の事態による停止や蓄積されたデータの消失による事業への影響を防ぐため、データを第三者が提供するクラウド上に保存しリスク回避を行っております。また、当社は、外部からの不正なアクセスを防ぐため、必要なセキュリティ体制を確保しております。しかしながら、自然災害や事故、ユーザー数やトラフィックの急増、ソフトウェアの不具合、サイバー攻撃、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等の予期せぬ事態が発生した場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 第三者への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社はスマートフォン向けアプリを中心にサービスを展開しているため、Apple Inc.及びGoogle Inc.のプラットフォームを通じてアプリを提供することが、当社の事業運営における重要な前提条件となっております。また、当社のウェブサイトへのアクセスやアプリのダウンロードをユーザーに行っていただくために、様々なインターネット検索エンジン等に依存しております。当社はプラットフォーム事業者や検索エンジン事業者の定めたガイドラインを適切に遵守してサービスを運用しておりますが、これらの事業者の方針変更等により、当社の提供するアプリや当社のアカウントがプラットフォーム事業者により削除された場合や検索エンジンにおいて望むような検索結果が得られない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。その他、当社は、ユーザーの決済手段として、クレジットカード決済、キャリア決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入しております。したがって、これらの事業者の動向、事業戦略及び当社との関係等により、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 業績の季節変動及び天候による影響について

(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:毎年、影響度:小)

当社の事業は外出需要に支えられており、業績には季節変動の傾向が見られます。具体的には、夏休みやお盆休み等の長期休暇が集中する第3四半期(7月から9月)は、旅行やレジャー目的での駐車場利用が増加するため、他の期間に比べて売上が高くなる傾向があります。一方で、プロスポーツのオフシーズンと重なる第1四半期(1月から3月)は、大規模イベント目的の利用が減少するため、相対的に売上が低くなる傾向があります。

また、当社の業績は天候の影響を受ける可能性があります。特に、週末や長期休暇といった需要のピーク時に、台風や豪雨、大雪等の悪天候が発生した場合には、イベントの中止や外出の手控えによる予約キャンセルが増加し、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法令等に関するリスク

① 訴訟等の可能性

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

会員等による違法行為やトラブル、第三者の権利侵害があった場合等には、当社は会員その他の第三者に対して賠償責任を負わない旨を利用規約等で定めているものの、当社に対して会員その他の第三者から予期せぬ訴訟その他の請求を提起される可能性があります。

一方、当社が第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合には、訴訟等による当社の権利保護のために多大な費用を要する可能性もあります。

このような場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社の社会的信用や企業イメージが毀損し、ひいては当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権の管理について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、当社が運営する事業に関する知的財産権を確保するとともに、必要に応じて知的財産権に関する周辺調査を実施することで、第三者の知的財産権を侵害しない体制の構築に努めております。

しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払い等が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報管理体制について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、当社従業員の個人情報に加え、当社が提供するサービスにかかる個人情報その他多数の個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、「プライバシーポリシー」及び「個人情報保護規程」を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、各種情報の管理体制を整備しております。しかしながら、自然災害や事故、外部からの不正アクセス、あるいは内部の故意・過失により、顧客情報の漏洩、消失、改ざん、不正利用等が発生するリスクがあります。また、当社の業務委託先において個人情報の漏洩等が発生する可能性も否定できません。万が一これらの事態が発生した場合には、当社の社会的信用や企業イメージが毀損し、当社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 法的規制について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

駐車場の設置等に関する法令としては、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めた「駐車場法」をはじめ、都道府県公安委員会による交通規制等を定めた「道路交通法」並びに自動車保有者等に対して自動車の保管場所確保等を定めた「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」等があります。現在、当社が営む事業の運営上、直接的な影響はありませんが、これらの法律が変更された場合、若しくは今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされた場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社が運営する事業は、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「情報流通プラットフォーム対処法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」といった法規制の対象となっております。当社は、これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育や体制の構築等を行っていく予定であります。しかしながら、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化等が行われ、当社が運営する事業が規制の対象となる等制約を受ける場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 反社会的勢力との取引リスクについて

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、オーナーの会員登録時、各種取引契約時、役職員の採用時等、新規の取引に先立ち、反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の締結をする等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。しかしながら、当社の厳格なチェックにも関わらず、反社会的勢力との取引等を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、対策費用の増大、監督官庁等による処分・命令、社会的なレピュテーションの低下等により、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 会社組織に関するリスク

① 優秀な人材の獲得・育成について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、今後の企業規模の拡大にともない、当社のパーパス・ミッション・ビジョンに共感し、バリューやホスピタリティ・カルチャーにフィットした優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動や社内人材の育成を行っていく予定でありますが、当社の求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合、人材市場の競争過熱により人件費水準が高騰した場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 内部管理体制の構築について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 特定人物への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社の代表取締役社長である金谷元気は、創業者であると同時に、創業以来当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会や経営会議その他会議体において役員及び経営幹部への情報共有や権限委譲を進める等組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。

しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他のリスクについて

① ソフトウェアの資産計上について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社では、プロダクト開発に要した費用の一部を、「研究開発費に係る会計基準」に従ってソフトウェアとして無形固定資産に計上しております。しかしながら、今後の事業環境の変化等により当社の収益性が著しく低下した場合や、開発計画の大幅な変更・中止によって当該ソフトウェアの将来の利用価値が見込めなくなった場合には、計上しているソフトウェア資産の除却又は減損処理が求められる可能性があり、その結果、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 資金使途について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社が今回計画している公募増資による資金調達の使途につきましては、プロダクトの開発にかかる人件費及び業務委託費用に充当する予定であります。しかしながら、当社が属する業界の急速な変化により、当初の計画通りに資金を使用した場合でも、想定通りの投資効果をあげられない可能性があります。また、市場環境の変化により、当初の計画を変更し、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:新株予約権行使時、影響度:中)

当社は、当社の役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用することが考えられることから、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

当社は新株予約権の付与に付随して割当契約書に行使条件を定めております。具体的には、全ての割当契約書において当社株式上場後180日間は行使できないこととしております。また、一部の割当契約書において行使可能割合を定めており、割当日から2年経過後1年ごとに付与個数の2分の1を行使できることとしており、全ての新株予約権を行使するまでに3年間を必要とし、急激な希薄化が起きない仕組みとしております。しかしながら、これらの新株予約権が行使可能期間中の同一時期に行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。

本書提出日の前月末現在でストック・オプションによる潜在株式数は877,493株であり、発行済株式総数     株の5,884,140株の14.91%(小数点以下第3位を四捨五入)に相当しております。

 

④ 配当政策について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社では、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。

 

⑤ 税務上の繰越欠損金について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

2025年12月末には、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。現時点において、税務上の繰越欠損金は、将来の課税所得から控除することにより将来の税額を減額することができるものの、今後の税制改正の内容によっては、納税額を減額できない可能性があり、その場合は、当社の当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、当社の業績が推移し、課税所得が発生することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、現時点よりも税額負担が増加するという観点で、当社の当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態の状況

第17期事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

(資産)

当事業年度末における資産は、前事業年度末と比べ247,386千円増加し1,050,213千円となりました。これは主に現金及び預金の増加153,663千円、及び、繰延税金資産が22,857千円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末と比べ24,152千円増加し525,643千円となりました。これは主に売上増に伴うオーナー報酬額の増加及び未払消費税等の計上等により未払金が72,647千円増加した一方、借入の返済により1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が58,300千円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比べ223,233千円増加し524,570千円となりました。これは当期純利益223,233千円を計上したことにともない利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

第18期中間会計期間(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)

(資産)

当中間会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ76,341千円増加し1,126,555千円となりました。これは主に現金及び預金の増加34,908千円、及び、無形固定資産が24,166千円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当中間会計期間末における負債は、前事業年度末と比べ28,317千円減少し497,326千円となりました。これは主に未払金が34,296千円、及び、借入の返済により1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が11,060千円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末と比べ104,659千円増加し629,229千円となりました。これは中間純利益104,659千円を計上したことによるものであります。

 

 

② 経営成績の状況

第17期事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

当事業年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調で、企業収益は堅調に推移し、雇用・所得環境にも改善の兆しが見られました。

しかしながら、長期化する国際情勢の不安定化や、原材料価格及びエネルギーコストの高騰に伴う物価上昇圧力は依然として続いております。また、世界的な金融引き締めに伴う海外景気の下振れリスクや、為替相場の変動等、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。

国土交通省の統計資料によると、2023年度末の自動車保有台数約7,853万台に対し、月極や住宅の車庫を除いた駐車場は約561万台、自動車1万台に対する駐車場の割合は715台と公表されております。このような状況は改善傾向であるものの、日本で保有される自動車数に対して一時利用駐車場の数が不足しているという構造問題が発生しております。

このような情勢の中、当社は、「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。その積み重ねで世界をよりよくする。」をパーパス(存在意義)とし、「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」をミッション(果たすべき使命)と定め、「世界一のモビリティプラットフォームをつくる。」をビジョン(中長期で目指す姿)に掲げ事業を運営しております。

その第一歩として、当社は、月極駐車場や個人宅にある駐車場の空きスペースを、スマートフォン等を通じて、誰もが、簡単に駐車場として貸し出せ、また、駐車場を予約して利用することができる駐車場マーケットプレイス「アキッパ」のさらなる成長に引き続き取り組んでまいりました。

本サービスにおいて、駐車場の利用ニーズは着実に伸びており、当事業年度の利用UU数は99.3万人(前年同期比+15.0%)と堅調に推移しております。

2024年にリリースしたオーナーモードは引き続きPMF(注)の検証を行っております。同機能を通じて登録された駐車場数は当社の想定をやや下回っているものの、一度登録された駐車場の掲載継続率は、オーナーモード以外の登録方法による継続率を上回って推移しており、新規及び既存オーナーにとっても価値のある機能であることは確認できております。また、オーナーモードはiOSのみでのリリースとなっておりましたが、2025年4月にAndroidもリリースをいたしました。集客マーケティングや貸し出し体験の改善等、各種施策を進めることで登録拡大の検証を引き続き行ってまいります。

また、サービスの基盤となる駐車場数拡大についても引き続き注力し、2025年12月における掲載駐車場数は55,020台(前年同月比+15.0%)と堅調に推移しております。

当事業年度における売上高は前年同期比で20.0%増加となりました。この増収は、昨年度より注力してまいりました大型スタジアム周辺及び地方における非日常利用が見込まれる駐車場の開拓が奏功したことによるものであります。今後は、オーナーモードの機能拡充や首都圏、特に東京における収益性の高い駐車場の開拓を強化することで、事業の安定的な成長を実現してまいります。

この結果、当事業年度の業績は、売上高は3,828,291千円と前年同期と比べ637,113千円(前年同月比+20.0%)の増収、営業利益は201,114千円と前年同期と比べ170,629千円(同+559.7%)の増益、経常利益は204,273千円と前年同期と比べ173,591千円(同+565.8%)の増益、当期純利益は223,233千円と前年同期と比べ182,677千円(同+450.4%)の増益となりました。

なお、当社はアキッパ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(注)PMFとは、サービスが特定の市場において、顧客から受け入れられている状態をいう。

 

 

第18期中間会計期間(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)

当中間会計期間におけるわが国経済は、継続的な賃上げの動きなどを背景に雇用・所得環境の改善が進み、インバウンド需要の旺盛な推移も加わり、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、円安の進行や原材料価格の高騰に伴う物価上昇が個人消費に及ぼす影響、また、国内外の金融資本市場の変動や地政学的リスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

国土交通省の統計資料によると、2024年度末の自動車保有台数約7,861万台に対し、月極や住宅の車庫を除いた駐車場は約568万台、自動車1万台に対する駐車場の割合は723台と公表されています。このような状況は改善傾向であるものの、日本で保有される自動車数に対して一時利用駐車場の数が不足しているという構造問題が発生しております。

このような情勢の中、当社は、「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。その積み重ねで世界をよりよくする。」をパーパス(存在意義)とし、「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」をミッション(果たすべき使命)と定め、「世界一のモビリティプラットフォームをつくる。」をビジョン(中長期で目指す姿)に掲げ事業を運営しております。

その第一歩として、当社は、月極駐車場や個人宅にある駐車場の空きスペースを、スマートフォン等を通じて、誰もが、簡単に駐車場として貸し出せ、また、駐車場を予約して利用することができるマーケットプレイス「アキッパ」(以下「本サービス」といいます。)のさらなる成長に引き続き取り組んでまいりました。

本サービスにおいて、駐車場の利用ニーズは着実に伸びており、当中間会計期間の利用UU数は60.6万人(前年同期比11.8%)となりました。

オーナーモードにおける掲載駐車場数につきましても、当社の想定を上回る登録が進んだことに加え、高い掲載継続率を維持したことから順調に拡大いたしました。さらに、自社営業及びパートナー企業との連携により、高単価かつ高稼働が見込めるエリアへの戦略的な開拓を進めた結果、台あたり売上高が想定を上回って推移し、全体の売上高を押し上げる要因となりました。加えて、2026年6月より不動産管理会社とのシステム連携を開始し、同社が管理する月極駐車場の空きスペースが当社システムへ自動掲載される仕組みを構築いたしました。これらの施策の推進により、2026年6月における掲載駐車場数は58,870件(前年同月比8.7%増)と堅調に推移いたしました。

業績面におきましては、高単価エリアの新規開拓に伴う台あたり売上高の向上や、イベント会場周辺における駐車場売上の増加によって売上高及び売上総利益が拡大いたしました。また、販売費及び一般管理費につきましては固定費の割合が高く、売上高の増加に対して増加幅が抑制されたことから、利益幅が大きく拡大いたしました。

この結果、当中間会計期間の業績は、売上高は1,915,622千円、営業利益は119,344千円、経常利益は123,927千円、中間純利益は104,659千円となりました。

なお、当社はアキッパ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

第17期事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ153,663千円増加し、当事業年度末には679,529千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、237,729千円(前事業年度は70,106千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が204,273千円、未払金の増加68,590千円があった一方、売上債権の増加38,839千円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、25,766千円(前事業年度は7,229千円の使用)となりました。これは主に無形資産の取得による支出15,631千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、58,300千円(前事業年度は72,800千円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出58,300千円があったことによるものであります。

 

第18期中間会計期間(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ34,908千円増加し、714,438千円となりました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間における営業活動の結果獲得した資金は71,774千円となりました。これは主に、税引前中間純利益による収入123,927千円があった一方、未払金の減少31,315千円、未払費用の減少4,970千円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間における投資活動により使用した資金は25,805千円となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出26,130千円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当中間会計期間における財務活動により使用した資金は11,060千円となりました。これは、長期借入金の返済による支出11,060千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c 販売実績

第17期事業年度、及び、第18期中間会計期間の販売実績は以下のとおりであります。

なお、当社はアキッパ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

セグメントの

名称

第17期事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

第18期中間会計期間

(自 2026年1月1日

至 2026年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

アキッパ事業

3,828,291

120.0

1,915,622

合計

3,828,291

120.0

1,915,622

 

(注) 直近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

 

② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

第17期事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度より637,113千円増加し、3,828,291千円(前期比20.0%増)となりました。これは、昨年度より注力してまいりました大型スタジアム周辺及び地方における非日常利用が見込まれる駐車場の開拓が奏功したことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は前事業年度より301,211千円増加し、1,900,142千円(同18.8%増)となりました。売上総利益は335,902千円増加し、1,928,149千円(同21.1%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は前事業年度より165,272千円増加し、1,727,034千円(前期比10.6%増)となりました。これは主に、売上増加に伴う決済手数料やパートナー報酬等の支払手数料が増加したことや、プロダクト開発・体制強化に伴う給与及び手当が増加したことに加え、プロダクト開発に係る外注費が増加したためであります。この結果、営業利益は前事業年度より170,629千円増加し、201,114千円(同559.7%増)となりました。

(営業外収益、経常利益)

当事業年度の営業外収益は前事業年度より2,211千円増加し、3,691千円(前期比149.5%増)となりました。これは、主にポイント利用収入が増加したためであります。また、営業外費用は、前事業年度より750千円減少し、532千円(同58.5%減)となりました。これは、支払利息が減少したためであります。この結果、経常利益は前事業年度より173,591千円増加し、204,273千円(同565.8%増)となりました。

(特別損益、法人税等及び当期純利益)

当事業年度において、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は△18,960千円となりました。この結果、当期純利益は前事業年度より182,677千円増加し、223,233千円(前期比450.4%増)となりました。

 

財政状態の分析及びキャッシュ・フローの分析は、前述の「(1) 経営成績等の状況の概況」に含めて記載しております。

 

第18期中間会計期間(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)

(売上高)

当中間会計期間における売上高は、1,915,622千円となりました。当期間におきましては、マーケティング施策の着実な実行や営業体制の強化を通じて、新規顧客の獲得及び既存顧客へのアップセルに注力した結果によるものであります。

(売上原価、売上総利益)

当中間会計期間における売上原価は915,176千円となりました。この結果、売上総利益は1,000,446千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当中間会計期間の販売費及び一般管理費は881,101千円となりました。その主な内訳は、開発体制の強化に伴う外注費、サービス提供に係るインフラコストである通信費、及び広告費等であります。この結果、営業利益は119,344千円となりました。

(営業外収益、経常利益)

当中間会計期間の営業外収益は6,836千円となりました。その主な内容は、EV充電器の設置等に係る補助金収入であります。また、営業外費用は、2,254千円となりました。その主な内容は、固定資産圧縮損等であります。この結果、経常利益は123,927千円となりました。

(特別損益、法人税等及び中間純利益)

当中間会計期間における、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は19,268千円となりました。この結果、中間純利益は104,659千円となりました。

 

財政状態の分析及びキャッシュ・フローの分析は、前述の「(1) 経営成績等の状況の概況」に含めて記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社の資金需要は、事業拡大に伴う人件費、広告宣伝費、システム開発資金等があります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針として、運転資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー(自己資金)及び金融機関からの長期借入により調達しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業体制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等及び当該指標の推移につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。